Harm FREE(自然共生社会の実現)

現代社会は、大気・水・土壌環境における物質循環や再生産など、自然からさまざまな生態系サービスを受けることで維持されています。しかし、その生態系サービスは世界的に悪化しており、世界経済フォーラムのグローバルリスク報告書2023では、生物多様性の減少が今後10年間の深刻なリスクの中で気候変動と共に深刻なリスクとして挙げられています。
川崎重工グループは、地球環境に調和した製品とものづくりで、環境負荷を下げ、生態系の保全に貢献します。
また、有害化学物質に対しては、適正な化学物質管理を行うとともに使用量の削減を進め、地球環境の汚染防止に努めます。

環境経営活動基本計画2023重点施策

環境計画2023重点施策
  1. 有害化学物質の適正な管理と代替え検討
    • 主要VOC(トルエン、キシレン、エチルベンゼン)とジクロロメタン、六価クロムを適正に管理する。
    • 主要有害化学物質のデータを連結で把握する。
  1. 生物多様性(TNFD)への対応
    • 当社事業が生物多様性に与える影響評価のマクロ分析を実施し、分析結果と対応策を開示する。

有害化学物質の削減

川崎重工・川崎車両およびカワサキモータースは、人の健康や生態系に影響を及ぼす可能性のある化学物質の適正な管理と代替え検討を進めています。
有害化学物質として、主要VOC(トルエン、キシレン、エチルベンゼン)の排出量、ジクロロメタンおよび有害重金属(六価クロム化合物)の取扱量について継続的なモニタリングを行い、適正な化学物質管理を行うとともに使用量の削減を進め、地球環境の汚染防止に努めています。
2021年度はジクロロメタンの使用量が前年度より増加しましたが、主要VOCおよび六価クロムの使用量は減少しています。2022年度は、主要VOC、ジクロロメタン、六価クロム共に前年度より使用量は減少しています。


生物多様性の保全に向けた取り組み

事業活動と生物多様性との関わりの把握

企業の自然への依存関係や影響関係の大きさを把握するためのツールであるENCOREを用いて、当社グループの事業活動と自然との依存・影響関係におけるリスク評価を行いました。ENCOREはサプライチェーンのうち、企業が直接操業を行う部分を評価するツールですが、今回の評価においては当社グループの事業活動に加えて、サプライチェーン上流について近いセクターを当てはめてリスク評価を行いました。
その結果、リスクの高い項目が依存関係において4項目・影響関係において10項目あることが分かりました。当社グループは原材料として鉄やアルミニウムなどの鉱物資源を多く使用しており、その採掘や精錬工程における温室効果ガスの排出や水資源の利用が重要度の高い項目であり、これらの項目に対して、実際に事業活動を行っている地域固有の状況を踏まえた詳細な分析を行い、生物多様性の保全に向けた取り組みにつなげていきます。

事業活動と自然との影響関係の評価結果優秀賞を受賞した、シゴセンジャーをデザインした花壇
事業活動と自然との影響関係の評価結果