製品安全・品質


マネジメント・アプローチ

基本的な考え方

川崎重工グループのようなインフラ製品を多く抱える業態において、お客様に安心して製品・サービスをご利用いただくことは重要な経営課題です。「川崎重工グループ行動規範」においても、「製品・サービスの品質と安全性」を掲げており、高機能・高品質で安全な製品・サービスを提供することを明記しています。グループ全体で品質保証・製品安全の体制を整備し、お客様のご期待に応える安全で優れた製品の生産と適切なサービスの提供により、当社の信用を常に高い水準に保ち、経営の品質保証に貢献します。

製品安全・品質に関する方針

川崎重工グループは、人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する新たな価値の創造が社会的責任であると認識するとともに、顧客の満足する品質を備えた製品やサービスの提供を事業継続に関わるグループ経営原則の一つと考えています。当社グループでは「川崎重工グループ 品質マネジメント方針」を2021年に策定し、顧客価値の創造に向けて効果的・効率的に活動し続けるためにグループ一体となって適正な運営を行います。

方針の適用範囲

川崎重工グループ

体制

本社技術開発本部内にTQM推進部を設置し、年度ごとに全社品質保証活動方針および活動推進計画を策定し、その実施状況および成果を把握するとともに、TQMの考え方に基づいた方針管理、日常管理、プロセス保証、品質管理教育の取り組みを基本に、品質保証・品質管理体制の維持向上に関する全社的な取り組みを推進しています。
また、各事業部門においても品質保証を担当する部署を設置しており、年度ごとに品質保証方針および活動推進計画を策定するとともに事業部門内の品質改善活動の推進や実施状況の管理を行っています。具体的には、TQM推進部が推進する各施策について、事業部門内のTQM活動の推進や各種品質保証・管理に関する取り組みを実施しているほか、事業部門独自の品質管理・品質保証に関する施策・取り組みを実施しています。

  • TQM: Total Quality Managementの略称
各事業部門にベストマッチしたTQM体制の構築支援
各事業部門にベストマッチしたTQM体制の構築支援

責任者

代表取締役副社長執行役員(TQM担当) 中谷 浩

責任機関・委員会

TQM推進部では、品質保証を含めた全社的なTQM体制の構築・強化に係る方針・計画などを定期的に策定し、推進しています。また、全社のTQM体制の構築・強化などを行う全社品質会議(4回/年)を開催し、全社的なTQM体制の構築・強化に係る方針・計画、全社的に重要なTQMに係る情報や課題、重大品質問題および再発防止策・水平展開などについて、本社・事業部門間の情報共有とディスカッションを実施しています。

製品安全・品質に関するマネジメント

当社では、事業部門/製品群ごとに、製品の契約・開発・設計から納入後のサービスに至るすべての段階において、各部門の品質保証に関する役割を明確にし、顧客が満足する安全で優れた製品の生産と適切なサービスの実施を可能とする品質保証体制を整備しています。この品質保証体制には、下記を含めています。

  1. 1.顧客および社会の要求する品質(機能、安全性)の的確な把握
  2. 2.上記要求を満たす製品の企画・開発
  3. 3.基準・規格等の設定
  4. 4.契約内容の見直し
  5. 5.適切な文書管理
  6. 6.要求される品質(機能、安全性)の設計への織り込み
  7. 7.適切な生産計画と管理による設計品質の製品への造り込み
  8. 8.適切な調達計画に基づく調達先の品質保証活動の指導・管理
  9. 9.納入後の品質情報の収集・把握・分析による顧客サービス、開発・設計・製造への反映
  10. 10.品質監査(調達先を含む)
  11. 11.品質保証に有効な各種教育・品質保証意識の高揚
  12. 12.適切な管理技術の活用による、最も有効かつ経済的な品質保証活動の推進

品質不具合の未然防止

製品を主管する各事業部門では、設計段階でデザインレビューを実施し、顧客要求、製品仕様および法令・規制要求への合致を確認することにより、不具合品の発生を未然防止しています。
また、製品の製造段階において、工程中に検査を実施し、次の工程に進めても問題がないかを確認しながらものづくりを進め、最終的には完成検査を実施することで、お客様への納入・引き渡し後の不具合を極力低減しています。

内部品質監査の実施

当社では、品質マネジメントシステムの規格への適合性や有効性を確認するため、各事業部門の品質保証部門が事務局となり、各部門に対して内部品質監査を実施しています。内部監査で検出された不適合や要改善事項、問題・課題などについては、監査結果報告書を作成し、トップマネジメントであるカンパニープレジデントおよびディビジョン長へ報告します。その後、各部門にて是正・改善を行った上で、事務局がその処置内容について有効性の評価・確認を実施しています。


ISO9001認証取得状況

川崎重工グループにおいては、ISO9001認証を事業部門もしくはグループ会社単位で取得しており、国内・海外の生産拠点のうち約7割の拠点で同認証を取得しています。

川崎重工グループの生産拠点における認証取得状況については、「ISO取得状況」をご覧ください。


TQM活動の推進

  • 事業部門における品質保証活動とTQM活動推進
    事業部門の品質保証活動を補足、強化する考え方としてTQMを位置付けており、個別の活動ではなく全社的に業務やサービスについてTQMの考え方を用いて品質向上と効率化を図るものとして活動に取り組んでいます。
  • 全社TQM普及セミナーの実施など
    全従業員を対象に階層別セミナーを継続的に実施しています。また、当社オリジナルの教材や外部講師によるセミナーなどによる階層別の教育カリキュラムにより、新人からトップマネジメントまで、TQMへの理解を深めています。
  • TQMレベルの評価
    TQMレベル評価を実施し、すべての事業部門および本社部門のTQM活動の実施状況を共通の指標で定量的に評価しています。この調査を通じて現在のTQM活動の実施状況を評価し、改善が望まれるプロセスや活動を明確にするとともに、それぞれの強みの共有につなげています。

製品安全・品質に関する教育・啓発

川崎重工では、全従業員へTQM教育を各階層で実施し、品質に関する意識の向上を図っています。事業部門または製品群ごとに、実際のものづくりに携わる従業員に対して、製品特性に応じた品質や製品安全に関する教育を実施し、品質向上や製品安全確保に努めています。

製品に関する品質不具合・事故発生時の措置

当社では、当社製品の品質不具合・事故の発生状況をモニターし、必要な措置が講じられているか確認するとともに、その結果を品質管理体制の強化に反映しています。また、製品をご利用いただいたお客様から寄せられる不具合・クレーム・事故に関するご意見・ご相談は、各事業部門に設置の窓口を通じて把握し、必要な措置を講じています。
万一、お客様や社会への影響が甚大な品質不具合・事故、または当社グループの信用を著しく損なう重大な品質不具合・事故が発生した場合は、可及的速やかに社長および本社主管部門へ報告するとともに、コーポレートコミュニケーション総括部など関連部門へ報告し、所轄官庁への届け出および情報の開示を行います。

リコール実施時の対応

当社グループは製品が多岐にわたり、またBtoB・BtoC両方の事業を有しています。このうち、モーターサイクルをはじめとするBtoC製品を製造・販売するカワサキモータースでは、各国法規を遵守し、場合により当局と情報交換をおこない、速やかなリコールの決定を行っています。製品のリコールを実施する場合、Webサイトなどを通じて速やかに情報を公表しているほか、製品を購入したお客様に対し、ダイレクトメール等で点検または修理に関するご案内を行っています。

リコール件数

(年)

単位 2021 2022 2023 2024
リコール件数 4 7 8 8

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