カスタマー・リレーションシップ・マネジメント
マネジメント・アプローチ
基本的な考え方
川崎重工グループは、船舶、鉄道車両、航空機などの輸送用機器、また、ガスタービン、ガスエンジンなどのエネルギーに関わる製品や、ロボット、産業用プラントなどの産業用設備、さらには、モーターサイクルなどのレジャー製品など幅広い分野の製品を国内外の幅広いお客様に提供しています。お客様からのご要望をすばやく製品・サービスに反映していくことは極めて重要と認識しています。
当社グループでは、事業・製品を取り扱う事業部門ごとに独自のカスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)の体制を整えており、事業部門内で情報を共有し、設計やアフターサービスへの反映を行うことでお客様との良好な信頼関係の構築を図っています。
体制
当社グループは製品が多岐にわたり、またBtoB・BtoC両方の事業を有しているため、それぞれの事業特性に基づいて、CRMを実施しています。
さらに、2013年度からは、本社マーケティング・渉外本部が毎年、各事業部門が実施したお客様満足度向上施策のフォローアップを行っており、全社的視点で情報の共有を推進し、グループ全体のCRM意識のさらなる向上を図っています。
これらの活動を通じて、グループ全体でお客様満足度の向上とご要望の迅速なフィードバックに努めています。
お客様との関係性を深める取り組み
当社グループでは、電話やメール、Webでのお問い合わせフォームなどのさまざまなチャネルを通じてお客様を含むステークホルダーからのご意見を広く受け付けるとともに、お客様との関係性をより一層強化するため、複数の事業部門や関連企業が対面でのヒアリングやお客様満足度調査を実施して当社グループの製品やサービスに関するご意見を継続的に収集しています。
頂戴したお客様の声は、製品開発やサービスの改善に活かすとともに、お客様満足度向上につながる環境・品質・安全面での取り組みとして整理し、社内外への共有を進めています。あわせて、他社動向や優良事例を踏まえながら、各事業部門における新たな取り組みの検討・展開を進め、長期的な視点でお客様との信頼関係の深化を図っています。
事業部門/関連企業ごとの取り組み
航空宇宙システムカンパニー
| 主な取り組み | 内容 |
|---|---|
| 顧客満足度調査 | BK-117ヘリコプターのテクニカルサポートに関する顧客満足度調査を通じて、サービス品質の向上に取り組んでいます。2025年度の顧客満足度調査では、「非常に満足」「満足」の合計が78.6%となりました。 |
エネルギーソリューション&マリンカンパニー(プラントディビジョン)
| 主な取り組み | 内容 |
|---|---|
| カスタマーサポート | 納入した各施設の中央制御室と神戸工場内に設けた専用室(環境遠隔監視室)で通信を行い、ごみ処理施設の運転状況を把握できるシステム(KEEPER)を構築しています。2026年4月現在、本システムは16施設に導入されており、24時間リアルタイムに各施設の運転状況を把握することで、トラブル発生時の原因推定・究明の早期化と、遠隔監視による環境遠隔監視室からの運転が可能となります。これにより円滑で適切な運転管理を行うことができ、ごみ処理施設を管理される自治体のお客様の満足度向上に寄与しています。
|
エネルギーソリューション&マリンカンパニー(エネルギーディビジョン):株式会社カワサキマシンシステムズ
| 主な取り組み | 内容 |
|---|---|
| カスタマーサポート | ガスタービンの遠隔監視システム「テクノネット」により、お客様に納品したガスタービンコージェネレーションシステムやガスエンジン発電設備を遠隔で24時間監視しています。万が一のトラブルにも対応し迅速に原因究明を行い、設備を早期に復旧させることでお客様の設備の稼働率向上に寄与しています。
![]() 詳細に関しては、常用ガスタービン発電設備のメンテナンスサービスまたはカワサキマシンシステムズウェブサイトよりご覧ください。 |
| 顧客満足度調査 | 日本国内では、ガスタービンのメンテナンスサービスをご利用いただいているお客様を対象に、顧客満足度調査を実施しています。2025年度の調査では、満足と回答されたお客様の割合が合計96%となりました。いただいたご意見や調査結果をもとに、サービス品質のさらなる向上に取り組んでいます。 |
精密機械・ロボットカンパニー(精密機械ディビジョン)
| 主な取り組み | 内容 |
|---|---|
| お客様とのコミュニケーション | 当社の製品・サービスに関し、継続的なお取引関係にあるお客様や、採用を検討いただいているお客様を中心に、技術交流会やTOP交流会(経営層同士による意見交換)を開催しています。これら対面による交流の場を通じ、当社の取り組みを説明するとともに、お客様から直接ご意見やご要望を伺い、お客様との信頼関係の強化、および中長期的なパートナーシップ構築に取り組んでいます。 |
| 品質管理 | 国内外のお客様で発生した品質問題については、品質関係の会議を月3回開催し発生原因の究明と対応策を審議することで再発防止および継続的な品質向上に取り組んでいます。 |
精密機械・ロボットカンパニー(ロボットディビジョン):カワサキロボットサービス株式会社
| 主な取り組み | 内容 |
|---|---|
| 顧客満足度調査 | 産業用ロボットの出張サービス工事におけるサービス品質に関する顧客満足度調査を実施しています。2025年度は「とても良い」「良い」の合計が93.5%でした。顧客満足度調査では自由記述欄を設け、お客様のご意見をフィードバックいただくことでサービスの改善を図っています。
サービスに対する顧客満足度![]()
|
| お客様とのコミュニケーション | 一般産機用ロボットを製造・販売している部門では、製品のトラブルや技術的な相談、メンテナンス依頼などに関するお問い合わせ窓口「コミュニティサイト」を運営しています。「コミュニティサイト」では、日本国内および海外のお客様からのお問い合わせをWeb上で受け付けるだけでなく、営業部門を介さずに技術部門が直接回答する体制を整えており、お客様に対する専門的な知見に基づく迅速かつ的確なサポート体制の強化に取り組んでいます。
さらに、ロボットサービスを担うカワサキロボットサービス株式会社では、当社製ロボットをご購入いただいたお客様向けに、「24時間ヘルプデスク」を設置しています。お電話を通じて、平日夜間、休業日のお問い合わせやトラブルに関するご相談を受け付けており、専門のサービスエンジニアが、お客様からのお問い合わせを直接お聞きし、情報提供・技術指導を行うことで、お客様設備の安定稼働を支援しています。 加えて、当社では、国内外の主要拠点にデモ用ロボットを常設し、お客様が実機を直接ご確認いただける環境を整えています。実際の動作を体感いただくことで、導入後のイメージをより具体的に描いていただけるほか、技術的なご相談にもその場で対応できるため、お客様との対話を通じた最適なソリューション提案につながっています。実機に触れながらのコミュニケーションを大切にし、お客様との信頼関係を築いています。 |
| カスタマーサポート | ロボット用の保全・監視システムである「K-COMMIT® カワサキロボット安心ライフサイクルサポート」では、ロボット設備のライフサイクルコストを最適化し、ダウンタイムをゼロにすることを目指しています。常時状態監視により、傾向管理データを定量化し、故障予知・予知保全を行っています。 |
カワサキモータース株式会社
| 主な取り組み | 内容 |
|---|---|
| 顧客満足度調査 | Webアンケートにより、ご購入いただいた製品(モーターサイクル)に対する顧客満足度を測定しています。日本・アメリカ・ヨーロッパ、およびその他地域で製品を購入したお客様を対象に実施した2025年度の顧客満足度調査では、「とても良い」「良い」の合計が91.8%でした。 |
| お客様とのコミュニケーションと品質向上活動 | 当社が製造するエンジンを搭載した芝刈機をご購入いただいた消費者の皆様に対面でご意見を伺っています。いただいたご意見内容を踏まえて、製品・サービス品質の更なる向上を図るとともに、新製品の開発に活かしています。
また、継続的なお取引関係にあるお客様を中心に、1on1ミーティングや技術交流会を開催しています。日々のコミュニケーションに加え、これらの定期的な多階層人材での交流の場を通じて、お客様との信頼関係の強化、および中長期的なパートナーシップ構築に取り組んでいます。 加えて、当社では、当社製エンジンの補用品を販売するディーラーが、アフターサービス・リコール・FDM(法人・企業向け回収)対応を担っています。品質問題が発生した際には、不具合対応を行うとともに、ディーラーによる補用品販売、アフターサービス、リコール・FDM対応を通じて得られた不具合情報を社内に共有しています。これらの情報は、量産品の改良や次期モデルの開発に活用し、製品品質の継続的な向上に繋げています。 |
| オンライン戦略 | 当社では、対応モデルのモーターサイクルと連携するスマートフォン向け公式アプリケーション「RIDEOLOGY THE APP MOTORCYCLE」のサービスにより、顧客満足度の向上を進めています。スマートフォンのアプリ上で、車両状況の確認、走行距離やルートなどのライディングログのレビュー、車体の各種設定変更などをお客様自身で操作することが可能です。
また、2024年には「RIDEOLOGY THE APP POWERSPORTS」がリリースされ、ジェットスキーやオフロード四輪にもサービスが拡大しています。 |
| アクセシビリティ向上の取り組み | 当社では、高齢者をはじめ、体力や身体機能に不安を抱える方々の移動の選択肢を広げるため、3輪モビリティ「noslisu」を開発しました。「noslisu」では、3輪構造により高い安定性を確保しており、ふらつきや転倒のリスクを低減することで、安心して利用できる設計となっています。免許返納後の移動手段としても活用でき、年齢や体力に関わらず、より自由な移動をサポートします。また、シニアカーと比較すると、坂道の多い地域や移動距離の長い環境でも利用しやすいことが特長です。これまで移動の負担や制約から訪問を諦めていた場所へのアクセスを可能にします。今後も、誰もが安心して移動できる製品開発を通じて、アクセシビリティの向上に取り組んでいきます。
詳細に関しては、Kawasaki Good Times Journal 転ばない3輪モビリティ「noslisu」よりご覧ください。 |
株式会社カワサキモータースジャパン
| 主な取り組み | 内容 |
|---|---|
| 顧客満足度調査 | 日本国内でモーターサイクルおよびジェットスキーなどを購入したお客様を対象に顧客満足度調査を実施しています。2025年度は「非常に満足:82.5%」とのご回答をいただきました。アンケート結果やお客様の声を社内関係部署で共有することで、製品仕様の改良や製品開発に活かしています。 |
| ECサイト | 公式オンラインストア「カワサキオンラインショップ」を運営し、モーターサイクルの補修部品やライディングギアなどの販売を行っています。2025年度にオンラインストアを利用したお客様の割合は24.2%、また、モーターサイクル部品総売り上げのうち、オンラインストアの売上割合は19.2%でした。オンラインストアを利用するお客様に対するユーザーアンケートの結果を踏まえ、オンラインストアの利便性向上などお客様のご要望を反映することで、利用数増加に努めています。 |
| お客様とのコミュニケーション | 「お客様相談室」にて、お電話を通じて、日本国内のお客様からのご意見・ご要望および製品に関するお問い合わせを受け付けています。お客様の声を一元管理し、これらの情報を分析することで製品開発に役立てています。
また、モーターサイクルおよびジェットスキーユーザーのための交流団体「カワサキライダーズクラブKAZE」を運営しています。新製品の紹介や交流イベントの実施、各地域における安全運転教室を開催し交通事故の抑制に貢献したり、カワサキコーヒーブレイクミーティングなどのミーティング開催や年6回の会報誌送付を通じて、お客様との長期的な関係性構築を図っています。 |
| 品質管理 | モーターサイクル製品などを販売する代理店「カワサキプラザ」を対象に、日々の販売活動やサービス品質の評価を行っています。評価結果をもとに、サービス品質の改善を図るとともに、その成果に応じてインセンティブを付与する仕組みを導入しています。 |
| アクセシビリティ向上の取り組み | 販売店「カワサキプラザ」では、高齢のお客様にも安心して来店いただけるよう、アクセシビリティの向上に取り組んでいます。店舗では、転倒リスクの低減を目的として、スロープの設置や床面のフラット化を進めるとともに、車いすや歩行補助具をご利用の方でも移動しやすい通路幅の確保に努めています。
接客面では、高齢のお客様の理解度や聞き取りやすさに配慮し、大きな声でゆっくりと話すことや、専門用語をできるだけ使わずに分かりやすい言葉で説明することをスタッフ教育の中で徹底しています。お客様一人ひとりの状況に寄り添った丁寧なコミュニケーションを通じて、安心してサービスをご利用いただけるよう努めています。また、スタッフによる車両の操作方法に関する説明に加え、字幕付きの説明動画を整備しています。視覚的な情報と音声による案内を組み合わせることで、よりわかりやすい情報提供を実現し、お客様が安心して利用できる環境づくりを進めています。 このような取り組みを含む店舗体験やサポート体制が評価され、カワサキモーターサイクル専門店「カワサキプラザネットワーク」は「2026年 GMO顧客満足度ランキング バイクブランド専門店」で第1位を獲得しました。 |
責任ある広報宣伝活動
川崎重工グループは、企業理念に基づいた事業活動の内容を正確にステークホルダーに伝えるため、事実関係および関連法規など、客観的な視点により内容を精査した上で情報発信するとともに、発信内容は専門用語を極力使用せず、誤解のない表現になるよう努めています。情報発信メディアは、プレスリリース、Webサイト、SNS、各種広告など、社会への影響を十分に考慮して選択し、当社グループの認知度向上のみならず事業・製品による社会課題解決への貢献を伝えられるよう常に意識して活動しています。
広報宣伝に関する違反件数、内容、および措置
2025年度において、広報宣伝活動に関する関連法規違反の事実はありませんでした。
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