環境配慮製品


Kawasakiエコロジカル・フロンティアズ制度

制度の趣旨

川崎重工グループでは、製品・サービスのライフサイクルを通じた環境負荷低減を目的として、2014年より独自の環境配慮製品認証制度「Kawasakiエコロジカル・フロンティアズ」制度(旧名称:「Kawasaki グリーン製品」制度) を推進しています。
本制度は、製品自体の環境性能向上と生産工程での環境負荷低減の両面において、特に優れた製品を認定・登録する制度です。製品の燃費や電力効率などのエネルギー効率の向上、生産過程での温室効果ガスや有害化学物質などの環境負荷物の排出量削減、製品自体の省資源化といった、製品開発におけるさまざまな環境負荷低減の推進に貢献しています。
近年では、水素機器など画期的な脱炭素ソリューションの登録が増えてきたこともあり、多様化する製品を明確に評価するために、2024年2月より「脱炭素部門」「トランジション部門」「電動・省エネルギー部門」の3つの部門を設け、認定・登録を行っています。「脱炭素社会の実現に向けた当社の先進的な取り組み」「脱炭素社会へのトランジションとしての継続的な環境負荷低減活動」「脱炭素に貢献する電動製品・ソリューション等のさらなる省エネルギー活動」の3つの観点で、脱炭素社会(CO2 FREE)、循環型社会(Waste FREE)、自然共生社会(Harm FREE)の実現を目指していきます。
新規登録製品の開発に関わった従業員には、製品の認定クラスに応じたインセンティブ(金銭報酬)を支給し、価値ある製品を創出する従業員の意欲を高めています。

認定プロセス

当社グループが独自に定めた基準において適合性を評価し、国際規格ISO14021に準拠して社外に発信しています。当社グループの基準とは、CO2 FREE、Waste FREE、Harm FREEを目指すCO2・廃棄物・有害化学物質の排出削減の3つの観点において、①製品自体の環境性能の向上、②生産工程での環境負荷低減の両面から評価するものです。
「脱炭素部門」「トランジション部門」「電動・省エネルギー部門」の3つの部門を設けており、以下の通り、評価基準を満たしたレベルに応じて、Sクラス、Aクラスとして、製品登録を行っています。

  • Sクラス:環境への配慮が業界トップクラス相当と評価した製品
  • Aクラス:環境への配慮が業界標準クラスまたは当社前機種製品を超えると評価した製品

登録製品数

本制度においては、過去の登録製品について3年ごとに再評価を行うことで、常に最新の登録製品を維持しています。
2024年12月末現在、2014~2021年登録の更新53製品に、新規登録17製品(2022年5製品、2023年5製品、2024年7製品)を加え、合計70製品を登録しています。

初回登録年 2014~2021 2022 2023 2024 合計
Sクラス 39 5 4 6 54
Aクラス 14 0 1 1 16
合計 53 5 5 7 70

登録製品の詳細については、「Kawasakiエコロジカル・フロンティアズ登録製品」をご覧ください。

制度の効果

「Kawasakiエコロジカル・フロンティアズ」をはじめとした当社グループにおける環境配慮製品による2023年度のCO2排出量削減効果※1は1,630万t-CO2※2でした。世界トップレベルの効率を達成したガスタービン・ガスエンジン等の発電機器、モーターサイクルにおける90%を超える高いリサイクル率の達成、軽量化による省エネを達成した鉄道車両など、「Kawasakiエコロジカル・フロンティアズ」制度で認定・登録した製品は、年間のCO2排出削減などの環境負荷低減に大きく貢献しています。

  1. ※1従来製品と比較したCO2排出量の削減量。
  2. ※2(参考)燃費15km/Lの自動車1台で年間1万km走行した際のCO2排出量は、1.5t-CO2
    当社グループの削減貢献量は、燃費15km/L、走行距離年間1万kmの自動車のCO2排出量に換算すると約1,086万台分に相当します。

また、2023年度の「Kawasakiエコロジカル・フロンティアズ」を含めた環境配慮製品の売上比率は18%でした。
(川崎重工・川崎車両・カワサキモータースの売上合計に対する比率)

制度名称変更の意図

2021年、制度の名称を「Kawasakiグリーン製品」から「Kawasakiエコロジカル・フロンティアズ」に変更しました。新名称には、従来までの「Kawasakiグリーン製品」の思想に加え、新たな時代の社会課題というフロンティアに対し、製品のみならず、新たなソリューションの提供や仕組みづくりなど、独自の視点で答えを出し、希望ある未来をつくり出していくという意味を込めています。製品のライフサイクルとサプライチェーン全体を通じて、脱炭素社会(CO2 FREE)、循環型社会(Waste FREE)、自然共生社会(Harm FREE)の実現を推進していきます。

促進活動マーク

促進活動マーク製品や生産工程に込めた環境配慮への思いを促進活動マークに凝集しました。このマークは、当社グループが「陸・海・空の輸送システム」「エネルギー・環境」「産業機器」の主な事業分野で、革新的・先進的な技術力によってそれぞれが確固とした1本の柱となり、これら3本柱が融合することで、地球環境を支えていこうという決意を表現しています。


Kawasakiエコロジカル大賞 2024

Kawasaki環境大賞「Kawasakiエコロジカル・フロンティアズ」の登録製品の中から、環境に関連する社外評価を受け、かつ、事業経営への貢献が大きいまたは将来的なビジネス展開・拡大への著しい貢献が見込める製品を「Kawasakiエコロジカル大賞」として特別表彰しています。
今回選出した製品は次の2製品です。

  • 2024年度より制度を改定し、将来性の要素も受賞要件に加えています。

製品名:水素専焼ガスタービン発電装置

水素専焼ガスタービン発電装置

「水素専焼ガスタービン発電装置」は世界初となるドライ方式※1で水素専焼が可能な燃焼器を搭載した1.8MW級ガスタービンコージェネレーションシステムです。従来製品とほぼ同等の発電効率を実現しながら、水素専焼により、発電時におけるCO2排出量を年間約12,900トン相当削減可能※2です。脱炭素社会実現に向けた、高い将来性が評価され2024年度のエコロジカル大賞に選出されました。
本製品の社外表彰は以下の通りです。

【社外表彰歴】

  • 日刊工業新聞社 第66回十大新製品賞「増田賞」
  • コージェネ財団 コージェネ大賞2023 技術開発部門「理事長賞」
  • Connecting Green Hydrogen MENA 2024 The Hydrogen Future Awards「Hydrogen Technology of the Year 2024」
  1. ※1水噴射(あるいは蒸気噴射)を行わず、NOx 低減をする燃焼方法。燃焼エネルギーのロスが無いため水噴射方式と比べ発電効率は高くなるが、燃焼温度のコントロールが難しい。
  2. ※2連続稼働時間:8,640時間/年を想定

製品名:車載リチウムイオン電池(LIB)レアメタル回収システム

車載リチウムイオン電池(LIB)レアメタル回収システム

「車載リチウムイオン電池(LIB)レアメタル回収システム」は使用済の車載リチウムイオン電池 (LIB) からレアメタルを高効率かつ低環境負荷で回収するシステムです。車載用リチウムイオン電池(LIB)に含まれるレアメタルをリサイクルの対象とし、仮焙焼から焙焼工程にセメント製造設備の排ガスを利用する等、エネルギー効率を高めることで、高効率リチウム回収を可能とします。
電気自動車の普及でリチウムイオン電池の需要が高まる中、レアメタルの供給懸念と廃電池の急増に対応でき、社会全体のCO2排出量の低減に貢献可能な将来性が評価され、2024年度のエコロジカル大賞に選出されました。
本製品の社外表彰は以下の通りです。

【社外表彰歴】

  • 2022年度ホワイト企業リストに登録
  • 中国政府から認定された企業リスト。車載用廃バッテリーリサイクル業界での模範的企業として評価
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