[ 特許・実用新案紹介 ]

特許 第3614383号 ロボット

発明者:前口 裕二、高山 博幸、稲田 隆浩

 

-筋肉質の力持ち-

車のボディーは生産工程の中では500kg近くのものもあり、これをハンドリングする必要がある。また、ガラス瓶の飲料が詰まったケースをいくつか載せたパレットなども400kg程度はある。こうした重量物を搬送するロボットは通常カウンターウェイトをつけている。ちょうどエレベーターを上げ下げする力があまり大きくならないように、反対側におもりを下げる、あれと同じ役割のバランスどりである。しかし、全体の重量は増えることになるので、これら全体を動かす軸にはさらに大きなトルクが必要となる。するとモータや減速機が大きくなるなど、要するに力持ちは図体も大きくなりがちなのである。
この技術は、新型のリンク機構を採用することでカウンターウェイトをなくし図1のようにスリムな腰周りを実現するものである。そのための補助リンクの構造を図2に示す。この補助リンクにより目的の軸の出力トルクを増幅するというユニークな構造で、結果的に小さなモータや減速機でも、カウンターウェイトなしで駆動することが可能である。
このMシリーズのロボットは、筋肉質の力持ちなのである。


第163号 ロボット特集号