機体を軽量化する

機体の軽量化は、航空機の基本性能を左右する重要な要素であり、航空機設計では古くから重量軽減との戦いでした。
ここでは、機体運航中にかかる荷重に対して、十分な強度を確保しながら軽量化を極限まで追求する、当社の技術をご紹介します。

ボーイング787への複合材適用

「ボーイング787」前部胴体

当社が国際共同開発・生産企業として参画している「ボーイング787」は、最新の高効率エンジンの採用に加え、機体構造重量の約50%を複合材製とし、従来の同クラスの旅客機と比べて燃費が約20%優れる画期的な航空機ですが、この中で当社が担当している「前部胴体」には、世界で初めて全複合材製の大型一体構造を採用しています。製造法も従来とは全く異なり、樹脂を含ませた炭素繊維を円筒状に積層し、大型のオートクレーブ(加圧加熱炉)で焼き固めて継ぎ目のない胴体形状が造られます。

軽量機体の製造・加工技術

5軸NC自動打鋲機

機体のパーツは強度を確保しながらも極限まで軽量化を追求するため最適な形状、板厚に設計されており、大型の専用装置を多数導入して各種パーツの製造・加工の高精度化、省人化を図っています。典型的な大型専用設備による製造技術の例として、リベットによる部材の結合技術があります。航空機の運用は20から30年と長期にわたるため、リベット接合一つをとっても、信頼性・耐久性確保が重要となり施工管理を非常に厳密に行っています。