熟練技術者の動きを再現し、技能を伝承する新ロボットシステム「Successor」

製造ラインでの「Successor(サクセサー)」の使用イメージ

社会の高齢化により、高度な製造技術の担い手である熟練技術者の技能伝承が、多くの先進国において共通の課題となっており、これを解決するため、新しいロボットシステム「Successor(サクセサー)」を発表しました。
サクセサーでは、人間が専用の操作装置を使ってロボットアームを遠隔で操作して作業することができます。
さらには、人間の感覚の微妙なさじ加減をロボットが学習し、人間の動きを再現することもできます。
たとえば、自動車にシートを取り付ける作業では、車体ごとに取り付け位置の微妙なバラつきがあるため、人間が手のひらに伝わる感触などでシートをはめ込む位置を判断して取り付けています。
このように、人間には簡単でも、決められた正確な作業を得意とするロボットには、毎回状況が違い、判断が必要な作業はできませんでした。
しかし、このサクセサーは、人間が操作装置を使って作業を繰り返す中で、位置や速度、加速度といったデータを蓄積して解析することで、作業の“コツ”を学習することができます。
AIを通じて技術を「習得」すれば、人間の親方のように「正しい作業」と「失敗した作業」を判別することもできるようになりますので、今度は弟子となる人間が、サクセサーから正しい作業方法を「学ぶ」こともできるようになります。
つまり、熟練技術者からの「技能伝承」が実現できます。