石油残渣焚きボイラ
KACC®/U-KACC®ボイラ
KACC: Kawasaki Advanced Clean Combustion Boiler
U-KACC: Upgraded Kawasaki Advanced Clean Combustion Boiler
石油精製プロセスで発生する難燃性の石油コークスやアスファルト、ピッチ等の石油系残渣をNOxや煤塵の発生を低く抑えつつ、効率よく燃焼して有効利用するために開発した当社独自のボイラです。KACC®ボイラは主に液体残渣(アスファルト・VR・SDAピッチ等)に、U-KACC®ボイラは固体残渣(石油コークス・アスファルトピッチ・SDAピッチ等)に適用します
メリット・特長
- オペレーションコスト・メンテナンスコストの削減
- KACCは噴霧燃焼、U-KACCは微粉燃焼ボイラであり、[高温還元+低温酸化]の組み合わせによる独自の燃焼システムを有しています。これにより、他の一般的な噴霧燃焼・微粉燃焼方式のボイラに比べて以下のメリットがあります。
- 燃焼効率が良い
- NOxの発生が非常に少ない
- 煤塵の発生が少なく、また発生灰の付着性が小さい
- 灰の付着によるトラブルが発生しにくく長期連続運転が可能
- 石油コークスのような難燃性燃料も専焼が可能で、助燃用の燃料を必要としない
- また、流動層ボイラに比べて以下のメリットがあります。
- 流動媒体(BM材)の投入を必要としない
- 燃焼効率が良く、また灰の排出による損失が小さいためボイラ効率が高い
- 流動媒体を浮遊させる必要がないため所内動力が小さい
- 灰の排出量が少ないため灰の処理費用が小さい
- 石油コークスのような難燃性燃料も専焼が可能で、助燃用の燃料を必要としない
- ガス混焼により、効率的にCO2排出量を削減
- 工場から発生する副生ガス等ガス燃料がある場合に混焼利用することは従来から行われてきましたが、主燃料の燃焼効率が下がるといった課題がありました。KACC®/U-KACC®ボイラでは副生ガスを混焼することで水性ガス化反応がより活発になって主燃料の燃焼効率がさらによくなり、副生ガスの有効利用が図れると同時に、CO2排出量の削減が図れます。
スペック・用途・適応可能な燃料
スペック | 蒸気条件(圧力 / 温度):~12.7MPaG / 541℃ ボイラ蒸発量:~400t/h |
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用途 | 自家発電・コジュネ |
適応可能な燃料 | 石油残渣(石油コークス・アスファルトピッチ・SDAピッチ等の固体石油残渣、アスファルト・VR・SDAピッチ等の液体石油残渣) |
当社のKACC/U-KACCボイラは様々な石油残渣燃料に対応することが可能であると共に、当社はお客様の電力・熱の需要、配置の要望に合わせた最適設計を行っています。是非お問合せください。
プロジェクト事例
U-KACC®ボイラの初号機。当社は燃料供給設備・ボイラ・蒸気タービン・排ガス処理設備等の発電プラント一式を納入しました。
本プラントは、製油所から排出される固体石油残渣であるアスファルトピッチを燃料として使用し、製油所へ電気と蒸気を供給します。
納入先 | 富士石油株式会社 袖ケ浦製油所 |
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型式 | U-KACC ボイラ |
蒸発量 | 295t/h |
蒸気条件 | 10.3MPaG×503℃ |
タービン 定格出力 |
36,000kW(発電端) |
用途 | 自家発電・コジェネ |
主燃料 | アスファルトピッチ |
環境設備 | 排煙脱硝設備・排煙脱硫設備・乾式電気集塵機・湿式電気集塵機 |
運転開始年 | 2017年10月 |
特長 | 2017年10月の運転開始から3年以上経過しU-KACC®ボイラの優れた特長が確認されました。 |
サービス
- メンテナンスサービス、余寿命診断、運転診断などのサービスを提供しています。
主な実績
- 1998年6月:KACC®ボイラ初号機納入(2001年3月までに計3缶のKACC®ボイラを納入)
- 2017年10月:U-KACC®ボイラ初号機納入
関連リンク
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