ごみ焼却(熱回収)プラント

近年、環境負荷の一層の低減とサーマル・リサイクル性向上の観点から、ごみ焼却技術における低負荷化・高効率化については、その対応強化が社会的に要請されるようになっています。川崎重工は、長年の実績に裏付けられたストーカ式焼却炉の高い信頼性を生かしつつ、その性能を飛躍的に向上させたカワサキ-アドバンストストーカシステムや、ごみをガス化して発生する可燃性ガスを溶融処理に有効に利用するガス化溶融システムを開発し、幅広いニーズに応えております。
また、焼却炉から発生する燃焼ガスに含まれる塩化水素(HCl)、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、ダイオキシン類などの有害物質を除去し、きれいなガスにして大気へ戻すために、さまざまな技術と設備を開発し、排ガス処理システムとして各地のごみ焼却施設へ納入しています。この実績を基に、ごみ焼却に限らず各種プラントに最適な排ガス処理システムを提供致します。


アドバンストストーカシステム

特長

並行流焼却炉は、炉内にごみの送り方向と並行に水冷の仕切り天井を設け、燃焼ガスを強制的に反転させることにより、燃焼ガスの攪拌性を大きく向上させ、低空気比高温燃焼を可能としました。
火格子の水冷化により焼損を防止します。水冷火格子は間接水冷構造とし、万一の破損時の運転継続とメンテナンス性を確保し、信頼性を一層向上させました。
集じん後の排ガスを炉内に吹き込む排ガス再循環により、低空気比高温燃焼を強化します。排ガス量削減によるエネルギーロスの低減と排ガス処理装置の小型化、有害物質の生成抑制などを図ります。


流動床式ガス化溶融システム

特長

流動床式部分燃焼炉にて、低温(流動層温度:500~580℃)、低空気比条件でごみを部分燃焼(ガス化)させます。ここで発生する未燃ガス・未燃固形分を旋回溶融炉に送り込み、空気を供給して未燃分を燃焼させ、約1300℃という高温でごみ中の灰分を溶融してスラグ化します。
ごみ自身の熱量をガス化・溶融に利用するため、CO2排出量削減に大きく寄与できます。再燃焼室では排ガスを高温燃焼させダイオキシン類の発生を抑制し、その熱はボイラで回収し、高効率発電します。処理過程で得られるアルミ・鉄・スラグは資源として有効利用可能です。


シャフト式ガス化溶融システム

特長

都市ごみ、汚泥、掘り起しごみなど、適用範囲の広いガス化溶融システムで、炉の下部から酸素を吹き込むため発生ガス量が少なく、その分、設備がコンパクトになります。
流動床式と同様に、ごみを高温で溶融し、約1/40に減容化したスラグをつくります。スラグはもちろん土木・建築用骨材として有効利用できます。さらに、ガス化した可燃性ガスを再燃焼炉に送り、空気を加えて高温で燃やし、有害物質を分解するとともに、廃熱を利用して発電などを行ないます。


排ガス処理システム

特長

  • 減温塔

排ガス中にガス温度調節用の水を噴霧し、ガスを急冷させてダイオキシン類の再合成を抑制します。

  • ろ過式集じん器

排ガス中の飛灰(ダスト分)を円筒状のろ布に付着させて除去します。また、HCI、SOx、水銀、ダイオキシン類などの排ガス中の有害成分を除去するために消石灰や活性炭等を使用する場合は、ろ過式集じん器の手前に噴霧します。有害ガスと反応・吸着した薬剤は、飛灰とともにろ過式集じん器で捕集、除去されます。

  • 湿式洗煙塔

排ガス中に苛性ソーダ(NaOH)水溶液を噴霧することにより、有害成分であるHCl、SOx、水銀等を除去します。また、水噴霧によりガス温度が低下するので、後流にてガスを再加熱することにより、煙突からの白煙発生の防止も可能です。

  • 活性炭吸着塔

上部から投入された活性炭は、下部へ移動するに従ってダイオキシン類の吸着率を高め、充填層下部で最大の吸着率となって系外に排出されます。活性炭の移動は充填層下部に設置したロールフィーダを回転させ、活性炭を間欠定量的に抜き出すことによって行ないます。

  • 触媒反応塔

排ガス中に含まれるNOxは、反応塔にアンモニアガスを吹き込み、触媒の働きで無害な窒素と水にして除去します。また、ダイオキシン類についても分解除去します。


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