CO2分離回収技術
当社のCO2回収技術について
開発スケジュール
当社は、アミン吸着剤を用いたCO2分離回収技術(Kawasaki CO2 Capture:KCC)の開発をしています。
当初、この技術は、閉鎖空間中の呼気由来のCO2を除去する技術として開発されましたが、2000年代からは地球温暖化対策として排ガス中のCO2除去に適用すべく開発を開始してきております。
2015年以降、各種実証試験を開始し、2019年よりDAC開発にも着手致しました。
2025年以降は、様々なCO2排出元への適用を目指しています。
KCC(Kawasaki CO2 Capture)プロセス
- 潜水艦や宇宙ステーション等、閉鎖空間中の空気からのCO2除去技術を応用
- 多孔質固体にアミンを担持したアミン坦持吸着剤(アミン吸着剤)を用いる事で、アミン溶液を使用する従来方式よりも省エネルギーでのCO2分離回収を実現
- 吸着剤からのCO2脱離には、排出源等からの排熱(100℃以下)を利用可能
KCCシステムの特徴
| 方式 | 固定層システム | 移動層システム |
|---|---|---|
| システム概要 |
吸着剤を充填し排ガスと蒸気を切替えて運用 |
吸着剤を循環させ吸着と再生を連続的に運用 |
KCC固定層システムの特徴
- アミン吸着剤をひとつの塔に充填。排ガスと蒸気を交互に切替えて供給し、バッチ式にCO2の吸着と脱離を行う
- システムが単純で様々な試験設備や排出源への展開が容易
<固定層ベンチ試験設備の外観>
CO2回収量:10トン-CO2/日
設備サイズ:6.5m(幅)×7.5m(奥行)×12m(高さ)
KCC移動層システムの特徴
- 吸着塔、再生塔をアミン吸着剤が循環しながら連続的にCO2を回収
- アミン吸着剤の効率的な利用が可能であり、大規模プラントへの導入に適している
実証事業
1. カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2分離回収技術の研究開発/
先進的二酸化炭素固体吸収材の石炭燃焼排ガス適用性研究※
- アミン吸着剤を用いた石炭火力発電所からのCO2回収に関する国内初の実証試験
- KCC移動層システムの初の大規模実装
- 協力:関西電力 舞鶴発電所
- 共同実施者:RITE
- 回収規模:40 ton-CO2/day
- ※国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業
2. 環境配慮型CCUS実証拠点・サプライチェーン構築事業委託業務※
(アミン吸着剤による分離回収技術実証)
- 実施場所: 米国ワイオミング州 Integrated Test Center (ITC)
- CO2排出源: ドライフォーク石炭火力発電所、CO2濃度: 13 vol%
- CO2回収量: 2 ton-CO2/day
アミンおよび分解生成物の大気放出リスクを評価するための試験を実施
方法:実証運転の前・中・後に複数地点の大気成分を測定評価
結果:KCC装置稼働による環境リスクは低い。
市販アミン(DEA)を用いた吸着剤と比べて、当社製アミン吸着剤は揮発性物質の排出が少ない
<計測箇所(令和5年度)> <実証試験設備>
3. ごみ焼却場からのCO2回収と資源循環・脱炭素化の推進
- 様々な産業排ガスへの展開を想定した小型CO2回収システムを導入
- 都市部などスペース制約のある環境にも適応し、地域の脱炭素化に貢献
4. 低濃度二酸化炭素回収システムによる炭素循環モデル構築実証/Direct Air Capture (DAC) 実証事業
- 40年前から潜水艦内などの閉鎖空間に不可欠なCO2除去技術を開発(まさにDAC技術そのもの)
- 日本の気候にDACを適用する国内初の事業
- 目標を大きく上回る回収量を1,000時間以上安定的に達成
5. 神戸工場のKCC実証設備
DAC
大気中のCO2を直接回収
PCC
当社製ガスエンジン発電設備の排ガスに含まれる低濃度CO2を回収
| 緒元 | DAC | PCC |
|---|---|---|
| 回収元 | 大気 | ガスエンジン排ガス |
| 回収能力 | 100~200 ton-CO2/年/モジュール | 360 ton-CO2/年 |
| 再生蒸気温度 | 60 ℃ | |
| 方式 | 移動層 | |
大型CO2回収事業
DACシステムのモデル図
川崎重工神戸工場 KCC実証設備(2025年10月竣工)
2025年、当社神戸工場内に低濃度 CO2分離・回収のための、DAC, PCC実証試験機を建設。
大型化対応に向けた実証試験を開始。
当社DAC事業の展開
DAC機器供給に加え、エネルギー事業者との連携により、当社DACを使ったCCUSサービス事業を展開
- ※CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage, CO2分離・回収・利用・貯留
パートナーとの協業
水素エンジンカローラに当社製アミン吸着剤が搭載
カーボンネガティブへの挑戦
- トヨタ自動車(株)は、2023年11月11~12日に富士スピードウェイで開催されたスーパー耐久シリーズ最終戦に、「走れば走るほどCO2を回収する」新しい技術への挑戦を開始
- 当社はこの挑戦に賛同・協力し、アミン吸着剤を提供
三井海洋開発(MODEC)との共同開発
KCCシステムは、原油生産のために大規模なエネルギーが必要になるFPSOにおいて、CO2分離のための投入熱量低減を実現できる可能性のある技術です。
当社は2024年8月に三井海洋開発株式会社とMOU契約を結び、FPSO上のガスタービン排ガス中のCO2回収設備の共同開発のため、当社のCO2分離回収技術「Kawasaki CO2 Capture(KCC)」で用いているアミン吸着剤の適用評価試験を実施しました。
KCCでは、多孔体の表面にアミンをコーティングしたアミン吸着剤を用いており、吸着したCO2の脱離には未利用排熱等の低温熱源で脱離することが可能となり、CO2回収設備に使用する熱量を低減することができます。またKCC移動層システムはアミン吸着剤を循環させて連続回収を行うため大規模のCO2の回収に適しており、コンパクトな装置設計が可能な事から、FPSOでの適用も充分に可能であると考えられます。
そのため、今回の評価試験では、アミン吸着剤にFPSO上のガスタービン排ガスに合わせた模擬ガスを使って曝露試験を行うことでアミン吸着剤の吸着性能や劣化速度を測定、評価します。
今年度からは上記評価試験の結果を元にFPSOの排ガス性状に合わせたプロセス開発、搭載可能エリアが制限されるFPSOでの設備設置面積の最小化、洋上での揺動に対する機器の最適設計を検討します。
当社CO2分離回収技術が様々な形でカーボンニュートラル実現に貢献
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