[ 特許・実用新案紹介 ]

特許 第3617820号 四輪不整地走行車

発明者:野田 忠世
森垣 忠男
川村 直樹
鳥浜 貢

-変速機のVベルトのゆるみを知らせる監視役-

日本ではなじみが少ないが、米国では不整地走行車(ATV:All Terrain Vehicle)の需要は多い。ATVではVベルトによる無段変速が使われているが、Vベルトは摩耗が進むとゆるんでくる。するとVベルトの軌道にうねりが生じるようになり、放置してさらに摩耗が進むと、極端なケースではベルトがスリップし動力の伝達ができにくくなることもある。しかし、このベルトはハウジングの内部にあるので、ユーザーはたるみを把握しにくい。もちろん、定期点検時にこれをチェックし、必要に応じてベルトを交換するが、ベルトの摩耗はATVの使い方によっても変わるので、ベルトのゆるみを感知してユーザーに交換を促すことが大切である。
本特許は、ベルトの軌道のうねりが生じる部分に接触式のセンサを置き、一度このセンサが作動すると、このON状態を解除しない限りOFF状態に復帰できないように構成することで、Vベルトの交換を促すようにしたものである。製品を良い状態に保つ、日頃は前面に出ない「縁の下」のメンテナンス技術である。


第162号 汎用機特集号