フレームワーク

1. 調達資金の使途

サステナビリティボンドで調達された資金は、以下ソーシャルプロジェクト及び/またはグリーンプロジェクト(適格クライテリア1、2) に関連する新規又は既存の事業・プロジェクトに充当する予定です。

ソーシャルプロジェクト

【適格クライテリア1:自動PCR検査ロボットシステム普及】

  • 調達資金は、川崎重工グループが取り組む以下の自動PCR検査ロボットシステム普及を目的とした事業に対する新規支出及びリファイナンス(研究開発資金、事業開発資金)に充当する予定です。

    ① コンテナ式PCR検査システム関連の開発・実証投資

    ② コンテナ式PCR検査システム関連の製造投資

    ③ 自動PCR検査プラットフォーム(WEB予約システム等)の開発投資

  • 解決すべき社会的課題

    パンデミック・災害、人口・少子高齢化、リモート社会

  • マテリアリティ

    安全安心リモート社会

グリーンプロジェクト

【適格クライテリア2:クリーン水素サプライチェーン構築】

  • 調達資金は、川崎重工グループが取り組むクリーン水素サプライチェーン構築のうち、特に水素のクリーンな輸送・貯蔵(=「はこぶ・ためる」)の実現を目的とした以下の事業に対する新規支出及びリファイナンス(研究開発資金、事業開発資金)に充当する予定です。

    ① 水素のクリーンな輸送・貯蔵の実現に向けた開発・実証投資

    ② 水素のクリーンな輸送・貯蔵の実現に向けた製造投資

  • 解決すべき社会的課題

    気候変動・資源枯渇

    - 将来的には世界各地の太陽光発電や風力発電などの再エネルギー電力からつくる「グリーン水素」の供給網を構築し、カーボンニュートラルの実現を目指します。

  • マテリアリティ

    エネルギー・環境ソリューション


サプライチェーン及び本件資金使途イメージ
製造 貯蔵・輸送 利用
対象アセット
  • 天然ガス改質装置
  • 水電解装置

  • 水素液化機
  • 液化水素貯蔵タンク
  • 液化水素運搬船
  • 液化水素用ローディングアームシステム
  • 燃料電池自動車
  • 水素ガスタービン発電

フェーズ
  • 研究開発
  • 実証実験
  • 実用化に向けた設備投資

本件資金使途

対象アセット詳細イメージ
目的 期待される効果
水素液化機
  • 水素ガスを-253℃で液化し、体積を1/800にする
  • 大量の水素を効率良く貯蔵および輸送することを可能にする
  • ガスに戻して利用する際に、新たなエネルギーを消費しない
液化水素貯蔵タンク
  • 液化水素を長期間にわたり、蒸発損失を抑えて貯蔵する
  • 海外からの液化水素の受入・貯蔵、液化水素運搬船やローリーへの払出が可能となる
液化水素運搬船
  • 液化水素を海上輸送する
  • 水素を長距離、大量に海上輸送することが可能となる
  • 海外から日本に水素を輸入することが可能となる
液化水素用ローディングアームシステム
  • 海上に係留される液化水素運搬船と接続して荷役を行う
  • 液化水素荷役基地の主要構成品として、海外から船などで輸送した液化水素を荷揚げすることを可能にする

各クライテリアの適格カテゴリーと想定される効果

クライテリア 適格カテゴリーと想定される効果
1 自動PCR検査ロボットシステム普及
  • 必要不可欠なサービスへのアクセス
  • 社会経済的向上とエンパワーメント

・医師・医療従事者の負担削減とコロナウイルス感染拡大防止

・経済活動の回復・活性化に貢献

2 クリーン水素サプライチェーン構築
  • 再生可能エネルギー
  • クリーン輸送

・量かつ安定的なクリーンエネルギー供給・利用の実現


各クライテリアとSDGsの整合性

SDGs目標 クライテリア

3.8 すべての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する

1 自動PCR検査ロボットシステム普及

7.1 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。

7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる

7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる

7.a 2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率、および先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究および技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する

2 クリーン水素サプライチェーン構築

8.2 高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上およびイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する

1 自動PCR検査ロボットシステム普及

9.4 2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術および環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。すべての国々は各国の能力に応じた取り組みを行う

9.5 2030年までにイノベーションを促進させることや100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させ、また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとするすべての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる

1 自動PCR検査ロボットシステム普及

2 クリーン水素サプライチェーン構築

12.2 2030年までに天然資源の持続可能な管理および効率的な利用を達成する

12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じて化学物質やすべての廃棄物の環境に配慮した管理を達成し、大気、水、土壌への排出を大幅に削減することにより、ヒトの健康や環境への悪影響を最小限に留める

12.5 2030年までに、予防、削減、リサイクル、および再利用(リユース)により廃棄物の排出量を大幅に削減する

1 自動PCR検査ロボットシステム普及

2 クリーン水素サプライチェーン構築

13.1 全ての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応の能力を強化する

2 クリーン水素サプライチェーン構築

17.7 開発途上国に対し、譲許的・特恵的条件などの相互に合意した有利な条件の下で、環境に配慮した技術の開発、移転、普及、および拡散を促進する。

17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する

1 自動PCR検査ロボットシステム普及

2 クリーン水素サプライチェーン構築

2. プロジェクトの評価及び選定プロセス

対象プロジェクトは、グループビジョン2030ならびに重要課題(マテリアリティ)の特定に係るプロセスを踏まえ、当社の財務部門及びサステナビリティ推進部門にて選定いたしました。選定したプロジェクトは、財務及びサステナビリティ推進担当役員が承認した上で最終決定いたします。
なお、各プロジェクトがもたらすと想定される環境リスクとして「開発・製造時における廃棄物の発生」がありますが、全てのプロジェクトにおいて環境法令等や自治体が定める条例に則り、環境アセスメントを実施しています。

3. 調達資金の管理

サステナビリティボンド発行後、調達資金は本件実行後概ね2ヵ月程度を目途に充当する予定です。また、調達資金と資産の紐付け、調達資金の充当状況の管理は、当社内部管理システムを用いて、当社財務部門にて追跡・管理します。追跡結果については、概ね四半期単位で財務担当役員による確認を予定しております。なお、調達資金が充当されるまでの間は、現金または現金同等物にて管理します。
充当状況及び未充当資金については、上述の当社内の追跡管理に加え、半期単位の内部監査および四半期単位の会計士による会計監査を通じて適切に残高管理されていることを確認します。

4. レポーティング

i. 資金充当状況に関するレポーティング

資金充当状況に関しては、調達資金が全額充当されるまで年1回、充当状況をウェブサイト上に開示します。
資金充当完了後も、資金使途の対象となるプロジェクトに当初の想定と異なる事象が発生した場合、当該事象および未充当資金の発生状況に関し、当社ウェブサイトで速やかに開示を行います。

ii. インパクト・レポーティング

調達資金の全額が対象プロジェクトに充当されるまでの期間において、対象プロジェクトのインパクト・レポーティングとして、守秘義務の範囲内において以下のアウトプット指標・アウトカム指標等を、当社ウェブサイトにて年に1回公表します。

プロジェクト アウトプット指標 アウトカム指標
1-1 コンテナ式PCR検査システム関連の開発投資
  • 同システム導入台数
  • PCR検査件数
  • 陰性証明の発行件数
1-2 コンテナ式PCR検査システム関連の製造投資
1-3 自動PCR検査プラットフォーム(WEB予約システム等)の開発投資
2-1 クリーン水素サプライチェーン構築に向けた開発・実証投資
  • 研究開発、実証の進捗状況

    (水素液化機:液化効率の向上や大型化への取組状況、液化水素貯蔵タンク:大型化への取組状況、液化水素運搬船:大型化への取組状況、液化水素用ローディングアームシステム:大型化、国際標準化への取組状況)

  • 水素利用によるCO2排出削減量(理論値)
2-2 クリーン水素サプライチェーン構築に向けた製造投資
  • 輸送したクリーン水素運搬量

iii. 当社業務全般に係るレポーティング

当社は、1999年に「環境報告書」を発行して以来、サステナビリティ活動の年次報告書を毎年発行しています。なお、株主・投資家をはじめとするステークホルダーの皆様と、企業の持続性・成長性に関する建設的なコミュニケーションを行うために、2013年より統合報告書を発行しています。

iv. 財務状況に係るレポーティング

有価証券報告書、決算情報を当社ウェブサイトにて公表します。

  • 有価証券報告書・決算情報
    https://www.khi.co.jp/ir/library/
  • v. 事業状況に係るレポーティング

    対象プロジェクトに係る、アウトプット指標、アウトカム指標、インパクト指標等を定量・定性や当社全体・個別プロジェクト毎等問わず開示可能な範囲で継続して報告を実施します。2020年度は、重要テーマに即した事業活動によって、各施策を着実に進展させ、2021年度以降も、これまでの進捗を踏まえた中での新たな経営課題や社会のニーズに挑み、グループミッション「世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する"Global Kawasaki"」の実現に向けて取り組んで参ります。


お問い合わせ

このページに関する更なる情報をご希望の際は、右のボタンよりお問い合わせください。