高速レーザスキャニングシステム

カワサキ高速レーザスキャニングシステムは、レーザを超高速(秒速1400m(マッハ4相当)以上)で広域(幅1400mm以上)に同品質で照射することが可能です。レーザ照射ユニットは、様々な種類のレーザ用にカスタマイズでき、ワーク通過型のシステムとして構築することで、アプリケーションの高生産性に貢献できます。
また、微小エリアに超高速でレーザ照射することで、低出力のレーザでも難削材(銅・セラミック・シリコンカーバイト等)を加工することも可能です。


特長

超高速スキャニング
本装置のスキャニング速度は、秒速1400m(マッハ4相当)以上と超高速です。
1パスで加工が可能なプロセスでは、ロール・ツー・ロールのようにワークを連続送りしながら高速で処理することができます。
また、1パスで切断ができないワークであっても、同じ個所に複数回レーザを照射(マルチパス切断)し、短時間で板厚方向に掘り進むことできます。レーザアブレーションと組み合わせれば、高品質な切断面を得ることが可能となります。

広いスキャニング幅に同品質のビームを照射
当社独自の特殊光学系を用いることにより、広いスキャニング幅(1400mm以上)でも、レーザの導光距離を変えずに、ワークに対して垂直に照射されるので、レーザ品質が均一です。
例えば、従来のガルバノスキャナーを複数台並べる必要があった幅広ワークの加工プロセスに当社のシステムを用いれば、1台のスキャンユニットと1台のレーザ発振器でシステムの構築が可能となります。
また、広いスキャニング幅に対して直角方向にワークを動かせば、広い面積のエリアスキャニングが可能となります。


主な種類

ラージエリアスキャニング
幅300mm以上のワークを対象にしたスキャニングシステムで、幅1400mm以上のシステムの製作実績があります。幅広のワークや大面積のエリアスキャニング、複数の同ワークの同時加工等に用いることができます。

ミドルエリアスキャニング
幅300mm以下のワークを対象にしたスキャニングシステム。ガルバノスキャナーで実現できない超高速のスキャニングが必要なプロセスに適用可能です。

マイクロエリアスキャニング
1mm角以下の面積をスキャンニングするシステム。アブレーションレーザと組み合わせることにより、難削材の高品質切断ができます。また、スキャニングヘッドやワークを自由に動かす装置と組み合わせることで、2次元や3次元の形状の切断等も可能となります。

ラージエリアスキャニング(ワーク幅:1400mm)
マイクロエリアスキャニング

加工例

ラージエリアスキャニング1

Mo膜の1パススクライブ 当社加工例 他社加工例
  • ワークサイズ:300x300mm
  • Mo膜厚:400nm
  • レーザ出力:14W
  • 加工速度:15000mm/sec
  • 加工幅:10µm(均一)
  • 加工速度:300mm/sec
  • 加工幅:65µm 程度(不均一)

ラージエリアスキャニング2

複合樹脂のマルチパス切断 当社加工例(加工断面)
  • ワーク:ポリイミド-PETの複合樹脂
  • ワーク板厚:約0.15mm
  • スキャン速度:20000mm/sec
  • 切断パス回数:300パス(約20秒)
  • レーザ出力:18W

高品質な切断面

マイクロエリアスキャニング

銅板の1パス切断 セラミック基板の1パス切断
  • ワーク:銅板
  • ワーク板厚:0.2mm
  • 切断速度:2mm/sec
  • レーザ出力:25W
  • ワーク:セラミック
  • ワーク板厚:0.25mm
  • 切断速度:2mm/sec
  • レーザ出力:25W
上面観察 断面観察 上面観察 断面観察

その他:Si(シリコン)基板、SiC(シリコンカーバイト)基板、Mg板等の1パス切断実績あり。


用途

カワサキ高速レーザスキャニングシステムは、お客様のニーズに応じた様々な用途に利用できる可能性を有しています。

【用途例】
薄膜太陽電池向けパターニング装置、膜剥し、高速レーザマルチパス切断(金属箔や難削材、複合樹脂の高品質切断)、レーザ焼入れ、レーザアニーリング、ロール・ツー・ロールとの組み合わせ 等


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