
係船索張力監視装置

船舶は、天然資源や工業製品をはじめとする多様な物資の輸送手段として非常に大きな役割を担っていますが、事故が発生すれば経済的損失及び環境への影響は甚大となります。そのため、海運業界においては、船舶の安全な運航を最優先課題として船員の教育や規則の厳格化など様々な取り組みが行われています。
また、近年では積荷の多様化や機器の高度化により船員に求める技能が増えている一方で、船員の高齢化や技術伝承の問題が顕在化しています。
当社は、幅広い技術力を基盤とし、顧客ニーズに即した先進技術の開発・提供を通じて、海事産業における安全性の向上および省力化に貢献してまいります。
概要
係船機のバンドブレーキにロードセルを組み込むことで、係船索張力を船内の安全な場所でリアルタイムに集中監視できます。
また、計測したデータに基づいて「監視」「予測」「分析」のサイクルを繰り返すことで、継続的に係船管理基準を改善し、係船作業の効率化と安全性の向上を実現します。


特長
- 1.シンプルな構成
ロードセル、信号受信器、表示モニタの3つで構成されるシンプルなシステムであり、既存のウインチにそのまま搭載できるためレトロフィットも容易に対応できます。
また、同じバンドブレーキ構造であればメーカ問わず搭載が可能です。

- 2.ドラム上の索張力と船外索張力の算出
ドラム上の巻掛け半径を入力することでドラム上の索張力Wを算出できるため、多層巻になるシングルドラムでも適用が可能です。
また、ローラなどの船体金物の種類とその巻き付け角度を入力することで船外索張力W'も算出可能であり、より安全性の高い係船管理を実現します。



- 3.船員による補正
多くの船舶で実施しているブレーキテスト装置によるブレーキ力確認試験の結果を元に、係船機の機差や各部品の経年変化による影響を補正する機能を搭載しています。
これにより、船上で船員によって補正できるため、長期にわたる索張力表示値の正確性の維持を実現します。

- 4.計測データの視覚化
全係船索張力を一括して表示することで、係船状態を俯瞰的に監視が可能です。
索張力の状態を直感的に把握できるように、張力状態を4色(赤:危険,黄:注意(張力大),緑:適正,青:注意(張力小))で表示すると共に音によるアラームを発報します。
これにより、係船管理の省力化や省スキル化が図れ、連絡ミスや勘違いなどのヒューマンエラーも防止できます。

- 5.計画的な係船管理
張力データを記録しグラフ化することで、張力の時系列変化や傾向を表示します。
これにより、誰もが事前に張力異常を検知でき、より効率的かつ効果的な巡回計画を作成できます。
また、万一の時に張力データを参照でき、社内で横展開することで船員教育の質向上に貢献します。
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