「フィリピン共和国・マレーシア国/仮想同期発電機制御(VSG)調査事業」 が 経済産業省「質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業費補助金(我が国企業によるインフラ海外展開促進調査)」 に採択

2023年08月09日

川崎重工は、インバータ製造に取り組む株式会社アイケイエスと提案した「フィリピン共和国・マレーシア国/仮想同期発電機制御(VSG)」調査事業」(以下、「調査事業」)が、経済産業省による令和5年度「質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業費補助金(我が国企業によるインフラ海外展開促進調査)」*1に採択されました。

世界ではカーボンニュートラルに向け、再生可能エネルギーへの転換が進められていますが、太陽光発電や風力発電、蓄電池に代表されるインバータ電源は、火力発電などの従来型電源で用いられる同期発電機とは異なり、電力系統の周波数を維持する慣性力を有さないため、電力の安定供給が課題となります。
このたび採択された調査事業では、再生可能エネルギーの主力電源化において必須となる、系統安定化効果を持つ「VSG*2を搭載したインバータについて、新たな再エネソリューションとしての実現性を検証するとともに、当該ソリューションのモデルプロジェクトを組成しながら製品サプライチェーン構築の検討を行います。また、フィリピンにおいてVSGを活用したエネルギーシステムの構築に取り組むことで*3VSG技術の海外展開を図るとともに、フィリピンをはじめとするASEAN諸国等でのVSG技術の普及拡大が期待できます。

当社は、本調査事業を通じて、再生可能エネルギー大量導入による課題を解決し、カーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

*1. 「令和5年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業費補助金(我が国企業によるインフラ海外展開促進調査)」は、新興国を中心に拡大する世界のインフラ需要を獲得するための本邦企業の取組を後押しすべく、当該企業によるインフラ海外展開に向けた事業実施可能性調査及びプロモーション・ロビイングを経済産業省が支援する事業です。
*2. Virtual Synchronous Generatorの略でインバータ電源の制御方式の一つです。太陽光発電などの再生可能エネルギーのインバータ電源では回転部がなく、系統の周波数を維持することができませんが、VSGはインバータ電源にあたかも回転している発電機と同じように振舞うように制御することで、系統を安定化する効果が期待できます。
*3. 「フィリピン共和国の再生可能エネルギー導入拡大に向けたエネルギーシステム構築に関するMOUを締結」(20230213日付)
https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20230213_1.html

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