フィリピン共和国の再生可能エネルギー導入拡大に向けたエネルギーシステム構築に関するMOUを締結

2023年02月13日

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前列:左からマーク・ヴィリアル上院貿易・商業・起業委員会議長 、フェルディナンド・マーチン・ロムアルデス下院議長 、 グロリア・マカパガル・アロヨ元大統領、フェルディナンド・マルコス・フィリピン共和国大統領、 アルフレド・パスクアル貿易産業大臣、アントニオ・アーネスト・ラグダメオ大統領特別補佐官、ガルシア・アルバノ特命全権大使
後列:左からAboitiz Power Chairman of the Board Sabin M. Aboitiz、 Amber kinetics corporation President Edgar O Chua, 株式会社アイケイエス 代表取締役社長 今井尊史、川崎重工業株式会社 専務執行役員 渡辺達也

川崎重工は、株式会社アイケイエス、Amber Kinetics, Inc.(フィリピン共和国、以下Amber)およびAboitiz Power Corporation(フィリピン共和国)と、脱炭素社会の実現を目指したエネルギーシステム構築に関するMOUを締結しました。

MOUは、フェルディナンド・マルコスフィリピン共和国大統領の公式訪日に際して開催されたLOI調印/交換式において調印されたものです。今後当社を含めた4社はフィリピン共和国において、当社が開発した仮想同期発電機 (VSG, Virtual Synchronous Generator) ソフトウェアを搭載したインバータとAmberが開発したフライホイールを組み合わせることにより、系統安定性を損なわずに再生可能エネルギーの導入を実現するエネルギーシステムの調査および開発、案件組成に取り組んでいきます。
またこの調査では、日本と近似したエネルギー環境を有するASEAN諸国およびオーストラリアに向けたシステムの水平展開に関する検討も実施します。

フィリピン共和国に多く点在するマイクログリッド(離島やへき地などの小規模電力系統)では、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの導入が進んでいます。マイクログリッドにおける再生可能エネルギーは、安定した系統連系運転のみならず、災害時の電力供給継続およびディーゼル発電機等の電源と協調した運転が求められていますが、太陽光発電、風力発電および蓄電池に代表されるインバータ電源は、火力発電などの従来型電源で用いられる同期発電機と異なり、電力系統の周波数を維持する慣性力を有さないため、電力の安定供給が課題となります。
当社は、この課題を解決する一つの手段として、インバータ電源で同期発電機の特性を模擬することで慣性力などを持たせることを可能とするインバータ向けソフトウェア「iVSG™」を開発し、本MOUよりインバータメーカー向けのライセンス供与を開始しました。

当社は、この取り組みを通じて、マイクログリッドへの再生可能エネルギー大量導入に際して生ずる課題を解決し、フィリピン共和国のエネルギートランジションに貢献するとともに、脱炭素化により電化、ハイブリッド化が進むその他事業分野へ本MOUの成果を展開することによって、政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

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