最新型ヘリコプター「H145//BK117 D-3」が日本での型式証明を取得

2021年05月31日

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「ドイツにてD-2D-3化改修後に飛行試験中の当社社用機」

川崎重工とエアバス・ヘリコプターズ社が国際共同開発したBK117ヘリコプターシリーズの最新型「H145//BK117 D-3」(以下、D-3)が、国土交通省航空局の型式証明1を取得しました。今回の型式証明取得は、D-3の安全性と環境適合性が基準に適合した証明となり、日本での飛行が可能になります。

BK117ヘリコプターは、救急医療、消防・防災、警察、報道、人員輸送、物資輸送などで活躍する中型双発機です。1983年の初号機納入以来、機体の改良を重ね優れた技術力と高い信頼性によりシリーズ通算では当社納入分(2021531日現在)で180機、エアバス・ヘリコプターズ社納入分を合わせると全世界で1,600機以上の納入を誇るベストセラー機です。
D-3は、現行機であるBK117 D-2(以下、D-2)の改良型です。フルフラットフロアを備えた余裕のあるキャビンスペース、多用途性に優れた後部の観音開きカーゴドア、高高度での優れたホバリング(空中停止)性能、低騒音、そして最新のアビオニクス(電子機器)搭載によるパイロットの負荷低減などのD-2の特長を継承しつつ、最新式のメインローター・システム(5枚ブレード・メインローター)などの改良が実現されています。

当社は今後とも、BK117ヘリコプターの性能向上および各種用途に合せた装備品を開発するとともに、これまでの納入実績に裏付けられた高い信頼性や、開発・製造・販売・アフターサービスまで全て当社で行えるきめ細やかなサポート体制を活かし、国内外問わず積極的な営業活動を展開していきます。

【特長(D-2からの改良点)】

1. 有効搭載重量を約150kg増加:最大全備重量※2を約100kg増加したほか、機体重量を約50kg軽減したことにより、D-2に比べ有効搭載重量が約150kg増加。
2. メインローターを4枚から5枚ブレードに変更したことにより、飛行中の振動がより低減し、快適性が向上。
3. 整備期間を約50%短縮:点検項目の削減および整備が容易な構造の最新式メインローター・システムの採用により整備期間を短縮。

H145//BK117 D-3型ヘリコプター主要諸元】

全長 13.54m
全幅 1.73m(胴体)
全高 3.98m
定員 10名(標準座席)、12名(最大座席)
最大全備重量 3,800kg
最大速度 約263km/h(最大全備重量、高度5000ft時)
航続距離 722km(標準タンク、高度5000ft時)
主な装備

自動操縦装置、GPS地図表示装置等、HTAWS (地形認識警報装置)等

1 型式証明:特定の型式の航空機が安全性と環境適合性の基準に適合した証明。これを取得することにより、当該航空局の管轄空域での飛行が可能となります。
※2 最大全備重量:燃料・乗員・乗客など規定された搭載物を全部搭載したときの総重量。

(関連リンク)
<STORIES:高機能多用途ヘリコプター BK117 D-3>
https://www.khi.co.jp/stories/articles/vol101/

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