快適な室内環境を創出するガス透過膜を用いた新しい換気システム「SEPERNA™」を開発

2020年10月15日

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ガス透過膜を用いた新しい換気システム

(実証機)

ガス透過膜による空気清浄のメカニズム

(イメージ図)

川崎重工は、オフィスビルなどの快適な室内環境創出のため、ガス透過膜を用いた新換気システム「SEPERNATM(セパーナ)」(以下、「SEPERNATM)を開発し、実証機で高い空気浄化性能を確認しました。

オフィスビルなどの多くの人が活動する室内では、人の呼吸から排出される二酸化炭素を屋外に放出することを主な目的に換気していますが、換気時にアレルギーなどに影響する屋外のPM2.5や花粉、黄砂などの浮遊微粒子を室内に引き込みます。

当社が開発した「SEPERNATM」は、ガス分子径の数十倍程度の微小孔を有するガス透過膜を用いており、従来の換気システムで不可欠なフィルターを使用せず、また屋外の浮遊微粒子を室内に引き込まず、室内の二酸化炭素を屋外へ放出することに成功しました。併せて二酸化炭素などのガス成分を屋外に放出する際に、適切な温湿度の空気を活用することで、換気した空気を調温、調湿するために必要となる電力消費を削減できます。さらに、エアロゾル化した飛沫の除去効果についても期待されており、その有効性も検討していきます。

今後、東京駅日本橋口前にて三菱地所株式会社が再開発施行者として取り進めているTOKYO TORCH(東京駅前常盤橋プロジェクト)の常盤橋タワー内に実証機を設置し、「SEPERNATM」の有効性を検証します。また同時に、ガス透過膜のさらなる性能向上に向けた研究開発も継続していきます。これにより装置の小型化を達成し、オフィスビルや商業ビルのみでなく、住宅やホテルなど広い用途への適用を図り、将来的には旅客船などの交通機関の換気システムへの採用も目指します。

なお、ガス透過膜を用いた今回の新換気システムは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の支援事業として、201512月から20193月まで、国立大学法人 神戸大学と共同で研究してきた成果に基づき開発したものです。

SEPERNATM」:本装置の先進的なガス透過膜による空気清浄をイメージし、SEparation(分離)、PERmeation(透過)、NAtural(自然)の頭文字を取ったものです。

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