シンガポール地下鉄工事向け岩盤対応型シールド掘進機5基を連続受注

2010年04月14日

 

川崎重工は、シンガポール地下鉄のダウンタウンライン第2期建設工事に投入されるシールド掘進機5基を受注しました。今回の受注は、SK Engineering & Construction(韓国)から3基、GS Engineering & Construction(韓国)から2基を連続で受注したもので、2010年9月から2011年1月にかけて順次納入する予定です。

今回受注した掘進機は、泥水式シールド掘進機(直径6.63m)で、現在シンガポール陸上交通庁(Land Transport Authority:LTA)が進めている地下鉄ダウンタウンライン第2期建設工事(全長約16.6km)のうち、ビューティーワールド駅からヒルビュー駅(915工区)までと、ヒルビュー駅からキャシュウ駅(913工区)に至る二つの工区に投入され、あわせて上下線全長約7kmを掘削します。なお、これらのトンネル掘削工事は2012年中に完成の予定です。

今回受注した泥水式シールド掘進機は、軟弱土層の掘進に用いられるシールド掘進機の技術と岩盤や礫層などの掘削に用いられるTBM(Tunnel Boring Machine)の技術を融合した岩盤対応型の掘進機で、複雑な土質を1基の掘進機で掘削します。また本機では、当社独自のカッター交換方式を採用したほか、曲線部の掘削に対応するため中折れ式を採用するなど、工区特性に合わせた仕様としています。なお、今回の受注では泥水処理設備などの後方設備もあわせて納入します。

当社は、これまでシンガポール向けに11基、国内外で1,400基以上のシールド掘進機・TBMの納入実績を有しています。今回の受注は、当社の高い技術力と難易度の高い地質での豊富な実績が高く評価されたものです。

シンガポールではLTAが引き続き地下鉄建設工事を計画するなど、地下工事の増加が予想され、今後もシールド掘進機の発注が見込まれます。また、中国では上海、北京、広州、ハルピン、武漢、成都などの大都市を中心に、またベトナム、インドネシアでも地下鉄建設工事が計画されており、アジア市場全体で中長期的に安定した掘進機需要が見込まれています。

当社は今後も国内外を問わずシールド掘進機・TBMの営業展開を強力に推進していきます。

なお、今回受注したシールド゛掘進機の概要は以下のとおりです。

□ シンガポール地下鉄建設工事向けシールド゛掘進機

施主 シンガポール陸上交通庁(LTA)
施工者 SK Engineering & Construction (韓国) GS Engineering & Construction (韓国)
機種 掘削径6.63m岩盤対応型泥水式
シールド掘進機(中折れ式)3基
同2基
契約範囲 シールド掘進機および泥水処理設備等後方設備の設計・製作・海上輸送など