住友金属小倉に炉頂圧回収発電設備を納入

2010年03月16日


川崎重工は、株式会社住友金属小倉に、第2高炉用炉頂圧回収発電設備(発電能力9,840kW)を納入しました。今回納入した炉頂圧回収発電設備は、能力増強および老朽化した既設炉頂圧回収発電設備の更新を目的とし、当社の最新技術により高効率化を図ったものです。

炉頂圧回収発電設備とは、製鉄所の高炉から発生する高炉ガスの圧力を、タービンによって電気エネルギーとして回収する設備です。本設備は、高炉ガスの有効利用が可能で省エネ効果が高いことに加え、高炉ガスをタービンで回収する際の騒音低減や除塵などの機能も備えており、環境対策にも効果があることから、日本国内の大型高炉設備には100%設置されています。

当社の炉頂圧回収発電設備の特長は、高炉炉頂圧の制御を従来の調速弁方式ではなく、タービンの可変静翼で行うことにあります。このタービンの可変静翼による制御方式は、高炉ガスの流入量を弁で制御するのではなく、高炉ガスの全量をタービンに流し込み、タービンの静翼の角度を自由に変えることにより、タービン内を通過するガスの量および圧力が変動する状況においても、エネルギーロスが少ない高効率で低騒音の発電を可能とするものです。

当社は炉頂圧回収発電設備のトップメーカーとして、すでに国内向け26基、海外向け20基の合計46基の納入実績を有しています。また、納入当時世界最大クラスの出力となる炉頂圧回収発電設備(発電能力34,480kW)の実績も有しています。

当社は今後とも、炉頂圧回収発電設備をはじめとするエネルギーの有効利用と環境負荷低減に寄与する製品の販売に注力していきます。