イタリア向け7MW級ガスタービン発電設備「GPB80D」を受注

2009年12月22日

 
 

川崎重工は、欧州のガスタービン販売・サービス拠点カワサキ・ガスタービン・ヨーロッパ社(Kawasaki Gas Turbine Europe GmbH、ドイツ・フランクフルト)を通じて、イタリアのトリノ郊外に位置する食品加工会社セダミル社向けに7MWクラスの「GPB80D」ガスタービン発電設備を1台受注しました。本設備は2010年5月に納入予定です。

セダミル社は、現在コージェネレーションシステムを運用していますが、本プロジェクトにより、既設ガスタービン発電設備の更新として当社製「GPB80D」ガスタービン発電設備を設置します。本設備により発生する電力は、主としてセダミル社の工場設備に供給され、余剰電力は地元の電力網に供給されます。排熱回収によって得られた蒸気は全て工場の食品加工に使用されます。

この「GPB80D」ガスタービン発電設備は、主機である「M7A-03D」ガスタービンを当社が製造し、KGEが現地調達した部品を使用してドイツのパッケージ製作会社と共にパッケージを完成させた後に、イタリアの現地サイトに搬入する予定です。KGEは発電設備搬入後に、据付、試運転、確認試験まで行います。また、KGEはセダミル社と長期保守契約を締結しています。

本プロジェクトは、ヨーロッパにおいて4台目の「GPB80D」ガスタービン発電設備であり、イタリアにおいては同発電設備の初受注となります。「GPB80D」ガスタービン発電設備には、M7Aシリーズの最新バージョンである、「M7A-03D」ガスタービンが搭載されています。
新開発の「M7A-03D」ガスタービンを搭載した「GPB80D」ガスタービン発電設備は、すでに市場で高い評価を得ている「GPB60D」、「GPB70D」ガスタービン発電設備をベースに開発し、「GPB70D」に比べ、出力で約10%、熱効率で2.9ポイントの性能アップを達成しています。
さらに、今回セダミル社向けに搭載される「M7A-03D」ガスタービンは、当社が低NOx排出値を達成するために新開発した新型DLE燃焼器を搭載した初号機であり、NOx排出値は世界最高レベルの15ppm(O2、15%換算値)を保証しています。

今回の当社製ガスタービン発電設備の採用は、ガスタービン発電設備の優れた環境性能やライフサイクルコストはもとより、「GPB80D」の高い総合効率に表わされる当社の技術力と、世界各地における豊富な実績等が総合的に高く評価されたものです。

当社は、今回の受注を機に、カワサキ・ガスタービン・ヨーロッパ社を通じてイタリア市場および欧州市場におけるシェア拡大に向けて、更なるガスタービン発電設備の市場開拓を強化します。また、欧州ほか、米州、東南・南アジア、中東、日本を含む アジア極東地域においても現地販売拠点を活用し、世界5極体制により事業を積極的に展開していきます。