2012年APECサミット開催会場向けガスタービン発電設備を連続受注

2009年10月20日

 

「M7A-02」ガスタービン

 

川崎重工は、2012年にロシア・ウラジオストックのルースキー島で開催予定のAPECサミット会場向けに、双日株式会社を主契約社としてロシアの極東電力から「GPB70」型ガスタービン発電設備を連続受注しました。本発電設備は当社が自社開発した7MWクラスのガスタービン「M7A-02」を搭載しています。本件の受注は、ロシア向けガスタービン発電設備としては当社にとって初の受注となります。

本プロジェクトは、2012年にルースキー島で開催予定のAPECサミット会場の電力および熱需要向けに、ガスタービン発電設備及び温水ボイラで構成するコージェネレーション発電設備を建設するものです。
ガスタービン発電設備から排出される燃焼ガスがAPECサミット会場への温水供給に使用されることにより総合効率は約80%に達し、地球温暖化防止の一助になると期待されています。

本発電設備は、2011年秋に予定されている天然ガスパイプラインの開通までは軽油を燃料とし、パイプライン開通後は天然ガスを燃料とするため、デュアル燃料型ガスタービンが採用されています。
本発電設備の稼動開始は、1号機が2009年11月、2号機が2010年5月を予定しています。また、2011年夏に稼動が予定されている3号機および4号機のガスタービン発電設備についても当社への発注が内定しています。さらに今回の契約には3台の追加発注オプションがついており、2010年度予算による追加発注が予定されています。

本プロジェクト向けに連続受注したガスタービン発電設備は、当社が自社開発した6~8MWクラスの純国産ガスタービンM7A型を搭載しています。M7A型ガスタービンは2009年初に同クラスのガスタービンとしては国内で初めて累計生産台数100台を達成しており、1994年に初号機を納入して以来、欧米を始め国内外に納入実績を積み重ね、今回初めてロシア向けに受注しました。

今回の受注は、種々の性能等多面的に他社製品との比較検証が行われ、GPB70の優れた性能に加え、コンパクトでかつ保守整備が簡便である点や極東ロシア地区における当社のサービス体制等が高く評価されたものです。

ロシアは世界最大の天然ガス生産国であり、天然ガスを主燃料とするガスタービン発電設備にとっては大きな飛躍が予想されるマーケットです。本件に続き、同島で建設が計画されている海洋センター向けにも、当社製ガスタービン発電設備の採用が前向きに検討されています。当社は今後更にロシア市場におけるガスタービン発電設備の市場開拓に注力する予定です。

エネルギーの有効利用と環境負荷の低減の要求に応えるガスタービン、これを搭載した発電設備の製造・販売を通じて当社は地球環境の未来に貢献していきます。