ポルトガル電力公社向けに25MWガスタービン発電設備を受注

2009年08月27日

 


 

川崎重工は、欧州のガスタービン販売・サービス拠点カワサキ・ガスタービン・ヨーロッパ社(Kawasaki Gas Turbine Europe GmbH、ドイツ・フランクフルト)を通じて、同社のポルトガル販売会社であるエネルゲタス社と共同で、ポルトガル電力公社(ポルトガル・リスボン)向けに18MWクラスの「GPB180D」ガスタービン発電設備を1台と、7MWクラスの「GPB80D」ガスタービン発電設備を1台受注しました。本発電設備には当社が自社開発した高効率ガスタービン「L20A」と「M7A-03D」が採用されており、これは「L20A」の欧州における初受注になります。

ポルトガル電力公社は、同社のバレイロ発電所(バレイロ)内における石油焚きボイラ発電設備を更新し、ガスタービン発電設備および排熱回収ボイラで構成するコージェネレーション発電設備を建設します。本設備の導入により、燃料を原油から天然ガスに転換することによるCO2削減など、環境保全に配慮したエネルギー供給システムが構築されることになります。本設備により発生する25MWの電力は電力網に供給され、毎時49トンの蒸気は地元フィシペ社のアクリル繊維工場(バレイロ)に供給されます。
また、本プロジェクトにおいては、ガスタービン発電設備の排気ガスを利用して、排熱回収ボイラで排熱を蒸気として回収することにより、総合効率は82%に達します。なお、本発電設備は、当社がガスタービン発電設備の供給、エネルゲタス社がボイラや電装システム一式の調達と現地工事および試運転を担当し、2010年1月に運用を開始する予定です。

今回受注した「GPB180D」ガスタービン発電設備に搭載される「L20A」ガスタービンは、1998年から自社技術にて開発を進めてきた最新鋭の純国産高効率ガスタービンです。
また、新開発の「M7A-03D」ガスタービンを搭載した「GPB80D」ガスタービン発電設備は、すでに市場で高い評価を得ている「GPB60D」、「GPB70D」ガスタービン発電設備をベースに開発し、「GPB70D」に比べ、出力で約10%、熱効率で2.9ポイントの性能アップを達成しています。
今回の受注は、ガスタービン発電設備の優れた環境性能やライフサイクルコストはもとより、高い総合効率に表わされる当社の技術力と、世界各地における豊富な実績等が総合的に高く評価されたものです。

欧州では、EUによる環境規制の強化などから、今後もガスタービン発電設備の需要が増加することが期待されています。
本件の受注を機に、当社はカワサキ・ガスタービン・ヨーロッパ社を通じて欧州のさらなるガスタービン発電設備の市場開拓を強化します。また、欧州ほか、米州、東南・南アジア、中東、日本を含むアジア極東地域においても現地販売拠点を活用し、世界5極体制により事業を積極的に展開していきます。