大深度石油掘削船(ドリルシップ)用「レックスペラ」を初受注

2009年01月22日

川崎重工は、ブラジル国営石油会社・ペトロブラス社(PETROLEO BRASILEIRO S.A.)が行う油田開発で使用される大深度石油掘削船(ドリルシップ)3隻分となる旋回式スラスタ「レックスペラ」18基を、韓国の三星重工より受注しました。これは、ドリルシップ用としては初めての受注となります。

「レックスペラ」は、水平方向360度の任意の方向に推進力を得られる全旋回式推進機で、推進機・舵・サイドスラスタの機能を備えており、その優れた操船性から主にタグボートやサプライボートに採用されています。
今回当社が受注したのは、深海での石油・天然ガス掘削に用いられるドリルシップ3隻に搭載される「レックスペラ」18基であり、いずれもこれまでの製作実績としては当社最大となるKST-320LF/AU型(入力馬力4500kW)です。1隻当たり6基の「レックスペラ」は、常時連携して使用されることにより、掘削時に船体を定位置に保持する必要性を有するドリルシップに対して、高い定点保持能力を提供することができます。三星重工へは2010年から2011年にかけて順次引き渡す予定です。

ブラジルは、一昨年サンパウロ州沖合のトゥピ油田で大規模油田が発見されるなど油田・天然ガス田が豊富であり、ペトロブラス社はブラジル国内での石油・天然ガス生産量を拡大させるとともに、探鉱活動を積極的に展開しています。
当社は1983年の販売開始以来、500基を超える「レックスペラ」を供給しており、今回の受注はこれらの豊富な実績ならびに高い技術力が評価されたものです。

当社は今後とも、世界的なエネルギー需要の増大に伴い旺盛な需要が期待されるオイルリグや掘削船など大型作業船向け「レックスペラ」の受注・拡販に取り組み、舶用推進機ビジネスの拡充を図っていきます。

 

※「レックスペラ」:川崎重工の登録商標です。