ロールス・ロイス社の最新鋭旅客機用エンジン「TRENT XWB」の開発・生産に参画

2009年01月07日

 

 

 

川崎重工は、ロールス・ロイス社(英国)と、最新鋭旅客機用エンジン「TRENT XWB」の開発・生産に「リスク&レベニュー シェアリング パートナー(RRSP)」方式で参画することで正式に契約を締結しました。「TRENT XWB」は、エアバス社(フランス)が開発中の新型旅客機「A350」(250~350席クラスの中型機)への搭載が決定している唯一のエンジンです。

当社は、最新鋭旅客機用エンジン「TRENT XWB」の開発・生産プログラムで、中圧圧縮機(IPC)モジュールの設計・製造・組立を担当します。IPCモジュールは、エンジンを構成する8個の主要モジュールの一つであり、直径約1.5m×長さ約1.5m、部品数約4,000点のモジュールです。このモジュール全体の設計・製造・組立を当社が担当するのは、「TRENT1000」に続く2機種目となります。

今回の開発・生産プログラムにおいて、当社は約7%のプログラムシェアで参画し、すでにロールス・ロイス社へ技術者を先行して派遣し、共同でモジュールの開発作業を進めています。

「TRENT XWB」は、ロールス・ロイス社が開発中の推力74,000~92,000ポンドのエンジンで、すでに開発・生産している5機種の「TRENTシリーズ」の最新モデルとして位置付けられます。「TRENTシリーズ」はこれまで約2,500台の受注実績を持つ同社の旅客機用主力エンジンです。

当社とロールス・ロイス社は、1959年に航空機用エンジン「オリフュース」のオーバーホールに関する技術提携契約を締結して以来、防需航空機用エンジン、旅客機用エンジン、舶用ガスタービンエンジンなどの幅広い分野で緊密な協力関係を築いています。
特に、旅客機用エンジンの分野では、同社の「RB211」(B747/B767用)、「TRENT700」(A330用)、「TRENT800」(B777用)、「TRENT500」(A340-500/600用)、「TRENT1000」(B787用)などの開発・生産プログラムに当社が参画しているほか、「V2500」(A320シリーズ用)の国際共同開発・生産事業についても両社共に参画しています。

今回の「TRENT XWB」の開発・生産への参画は、当社とロールス・ロイス社の半世紀にわたる良好な関係と、当社の航空機用エンジンの開発・生産・整備などに関する高い技術力と豊富な経験が評価されたものです。

今後とも当社は、エンジン開発技術力の高度化、生産基盤の強化を進めるとともに航空機用エンジンの開発・生産プログラムへ積極的に参画するなど、航空機用エンジン事業の発展に注力していきます。