住友金属小倉向け炉頂圧回収発電設備を受注

2008年07月29日


川崎重工は、株式会社住友金属小倉から、第2高炉用炉頂圧回収発電設備(発電能力9,840kW)を受注しました。本設備の導入は、能力増強および老朽化した既設炉頂圧回収発電設備の更新を目的とし、当社の最新技術により高効率化を図ったものです。本設備の完成は2009年12月頃を予定しています。

炉頂圧回収発電設備は、製鉄所の高炉から発生する高炉ガスの圧力をタービンにより、電気エネルギーとして回収します。本設備は、高炉ガスの有効利用が可能で省エネ効果が高いことに加え、高炉ガスをタービンで回収する際の騒音低減や除塵などの機能も備えており、環境対策にも効果があることから、日本国内の大型高炉設備には100%設置されています。

当社の炉頂圧回収発電設備の特長は、高炉炉頂圧の制御を従来の調速弁方式ではなく、タービンの可変静翼で行うことにあります。このタービンの可変静翼による制御方式は、高炉ガスの流入量を弁で制御するのではなく、高炉ガスの全量をタービンに流し込み、タービンの静翼の角度を自由に変えることにより、タービン内を通過するガスの量および圧力が変動する状況においても、エネルギーロスが少ない高効率で低騒音の発電を可能とするものです。

近年の世界的な鉄鋼需要の活況を受け、国内の製鉄所では老朽化した設備の更新が進んでいます。今回の炉頂圧回収発電設備の更新によって、より高効率に高炉ガスのエネルギーを電気エネルギーとして回収することができます。

当社は、炉頂圧回収発電設備のトップメーカーとして、すでに国内向24基、海外向17基の合計41基の納入実績を有しています。また、納入当時世界最大クラスの出力となる炉頂圧回収発電設備(発電能力34,480kW、2004年納入)の実績も有しており、今回の受注は、当社の豊富な納入実績と技術力が客先から高く評価されたものです。

今後とも当社は、炉頂圧回収発電設備をはじめとするエネルギーの有効利用と公害の防止に寄与する製品の販売に注力していきます。