ブラジルCSN向け炉頂圧回収発電設備を受注

2008年03月24日


川崎重工は、丸紅株式会社と共同でブラジルのCOMPANHIA SIDERÚRGICA NACIONAL社(以下CSN:カンパーニャ・シデルーシカ・ナシオナル社、リオデジャネイロ市)より、同社第3高炉向炉頂圧回収発電設備(発電能力22,020kW)を受注しました。本設備の完成は2009年5月頃を予定しています。

炉頂圧回収発電設備は、製鉄所の高炉から発生する高炉ガスの圧力をタービンにより、電気エネルギーとして回収します。本設備は、高炉ガスの有効利用が可能で省エネ効果が高いことに加え、高炉ガスをタービンで回収する際の騒音低減や除塵などの機能も備えており、環境対策にも効果があることから、日本国内の大型高炉設備には100%設置されています。

当社の炉頂圧回収発電設備の特長は、高炉炉頂圧の制御を従来の調速弁方式ではなく、タービンの可変静翼で行うことにあります。このタービンの可変静翼による制御方式は、高炉ガスの流入量を弁で制御するのではなく、高炉ガスの全量をタービンに流し込み、タービンの静翼の角度を自由に変えることにより、タービン内を通過するガスの量および圧力が変動する状況においても、エネルギーロスが少ない高効率で低騒音の発電を可能とするものです。

近年ブラジル国内では、電力不足が深刻化するとともに工業用の電気料金が上昇傾向にあり、CSN社においても電力コストを削減する必要に迫られていました。同社が炉頂圧回収発電設備を設置するのは初めてであり、今回の本設備の導入により、同社は年間電力料金を大幅に節約することができます。

当社は、炉頂圧回収発電設備のトップメーカーとして、すでに国内外で41基の納入実績を有しています。また、ブラジルにおいては、ツバロン製鉄所(発電能力20,000kW)、アソミナス製鉄所(同11,340kW)、ウジミナス製鉄所(同18,800kW)にも炉頂圧回収発電設備を納入しており、今回の受注は、当社の豊富な納入実績と技術力が客先から高く評価されたものです。

今後とも当社は、炉頂圧回収発電設備をはじめとするエネルギーの有効利用と公害の防止に寄与する製品の販売に注力していきます。