ドイツ向けに新開発の「M7A-03D」ガスタービンを搭載した発電設備を初受注

2008年01月30日


川崎重工は、欧州のガスタービン販売・サービス拠点カワサキ・ガスタービン・ヨーロッパ社(Kawasaki Gas Turbine Europe GmbH、ドイツ・バドホンブルグ市)を通じて、ドイツのムンクスヒュー製紙(Munksjö Paper GmbH、 ドイツ・アーレン市)向けに、「GPB80D」ガスタービン発電設備を受注しました。本発電設備は、当社が新開発した7,000kWガスタービン「M7A-03D」を駆動源としており、これは「M7A-03D」の初受注になります。

ムンクスヒュー製紙は、アーレン電力公社(Stadtwerke Aalen、ドイツ・アーレン市)と合弁で、同社のウンターコーヘン工場(ドイツ・アーレン市)内における石炭焚きボイラ発電設備を更新し、ガスタービン発電設備および排熱回収ボイラで構成するコージェネレーション発電設備を建設します。本設備の導入により、二酸化炭素が約30%(年間3万トン)削減される見込みであり、同工場において環境保全に配慮したエネルギー供給システムが構築されることになります。
今般当社は、本プロジェクト向けに、発電出力7,000kWの「GPB80D」ガスタービン発電装置を受注したもので、本プロジェクトにおいては、ガスタービン発電設備の排気ガスを利用して、排熱回収ボイラで排熱を蒸気として回収することにより、総合効率は86%に達します。なお、当社が受注した「GPB80D」ガスタービン発電設備は、2008年9月に運用を開始する予定です。

新開発の「M7A-03D」ガスタービンを搭載した「GPB80D」ガスタービン発電設備は、すでに市場で高い評価を得ている「GPB60D」、「GPB70D」ガスタービン発電設備をベースに開発し、「GPB70D」に比べ、出力で約10%、熱効率で2.9ポイントの性能アップを達成しています。
今回の受注は、ガスタービン発電設備の優れた環境性能やライフサイクルコストはもとより、「GPB80D」の高い総合効率に表わされる当社の技術力と、世界各地における豊富な実績等が総合的に高く評価されたものです。

欧州では、EUによる環境規制の強化などから、今後もガスタービン発電設備の需要が増加することが期待されています。
本件の受注を機に、当社はカワサキ・ガスタービン・ヨーロッパ社を通じて欧州のさらなるガスタービン発電設備の市場開拓を強化します。また、欧州ほか、米州、東南・南アジア、日本を含むアジア極東地域においても現地販売拠点を活用し、世界4極体制により事業を積極的に展開していきます。