韓国向けに自社開発の「L20A」を主機とするガスタービン発電設備を初受注(カワサキマシンシステムズ)

2007年11月05日

 


 

川崎重工グループのカワサキマシンシステムズは、韓国の(株)韓火建設(HANWHA ENGINEERING & CONSTRUCTION CORP.)より、カワサキ「L20A」ガスタービンを搭載する「GPB180D」ガスタービン発電設備17MW×2基を受注しました。韓国向けに「L20A」を受注するのは初めてであり、今回の受注により「L20A」を主機とするガスタービン発電装置の受注累計は14基となります。

今回受注したのは、川崎重工が自社開発した高効率ガスタービン「L20A」を主機とするガスタービン発電装置で、光明駅地域熱電併給事業(CES)の主要構成機器となります。本CESプロジェクトは、韓国大手の都市ガス供給会社である(株)三千里(SAMCHULLY CO., LTD.)が、ソウル市西の光明市に建設する住宅・商業・公共施設等からなる総面積約200万平方メートルの新開発地区向けに、電力と温水を供給するものです。
本システムは、「GPB180D」ガスタービン発電装置2基、排熱ボイラ2基、可変抽気背圧式蒸気タービン発電機1基で構成されるコンバインドシステムで、蒸気タービンの抽気および排気蒸気を熱交換器に通気して温水を供給します。「GPB180D」を2基とすることにより、またその他機器を最適に組み合わせることにより、電熱需要の時間および季節変動に柔軟に対応でき、最大で約45MWの電力と1時間当たり95ギガカロリーの温水による熱を供給することが可能です。
なお、本システムにおいて、当社はガスタービン発電装置の供給、韓火建設がエンジニアリング、その他機器の調達および現地工事を行い、2009年に完成する予定です。

韓国政府は、省エネルギー、温室効果ガスおよび大気汚染物質の低減を目的として、天然ガスを利用した地域熱電併給事業を長期計画で推進しており、その内の一つである本プロジェクトは、都市ガス会社がガスタービンを原動機として実施する初めての熱電併給事業です。

今回の受注は、韓国において、病院向けコージェネレーション用ガスタービン発電設備の2件連続受注に続くもので、高効率ガスタービン「L20A」への評価はもとより、カワサキガスタービンの優れた環境性能やライフサイクルコスト、川崎重工グループの高い技術力と海外を含めた豊富な納入実績や経済性等が総合的に評価されたものです。

韓国では都市部を中心に、昨今の世界的な原油高および環境・エネルギー問題に対する意識の高まりを背景に、ガス燃料を用いた自家発電設備が導入されつつあり、今後地域熱電併給事業を含めガスタービンコージェネレーションシステムの需要が増加することが期待されています。
当社は、今回の受注を機に、今後拡大が期待される韓国市場におけるコージェネレーションシステムの拡販に注力していきます。