自社開発の高効率ガスタービン「L20A」を搭載した15.9MWコージェネレーション発電設備を受注

2006年12月25日


川崎重工は、MC塩浜エネルギーサービス株式会社(三菱商事株式会社の100%出資子会社)が三菱化学株式会社四日市事業所塩浜地区構内で実施するオンサイト熱電併給事業向けに、出力15.9MWのコージェネレーション発電設備を受注しました。本発電設備には、当社が自社開発した高効率ガスタービン「L20A」が採用されています。

三菱化学四日市事業所では、現在川尻地区においてMC川尻エネルギーサービス株式会社によるオンサイト熱電併給事業計画が進められており、当社の35MWコージェネレーション発電設備(L20A×2基)が採用されています。今回の受注はこの川尻地区向けに続くもので、当社のガスタービン「L20A」とこれを用いたコージェネレーション発電設備の高効率、高信頼性が三菱商事および三菱化学から高く評価されました。

本発電設備により供給する電気や蒸気は、三菱化学四日市事業所塩浜地区構内の動力源や熱源として利用されます。本発電設備の導入は、事業所燃料を重油から天然ガスへ転換することによるCO2削減などの環境対策に貢献するとともに、総合エネルギー効率の大幅な改善に寄与するものと期待されています。なお、本発電設備の操業開始は2007年11月の予定です。

本発電設備の主機となるガスタービン「L20A」は、1998年から自社技術にて開発を進めてきた最新鋭の高効率ガスタービンです。2000年9月に初号機が完成、2001年11月より当社明石工場に「L20A」を用いたコージェネレーション設備を設置、その後2004年に千葉食品コンビナート内でのオンサイト熱電併給事業用として、千葉みなと発電所向けに商用初号機を納入しました。今回の受注は国内向け「L20A」の6基目です。

当社の産業用ガスタービンは、1974年に自社開発した産業用ガスタービン「S1A-01」を使用した非常用ガスタービン発電設備を発売して以来、これまでに非常用発電設備、コージェネレーションシステム分野で多くの実績を積み重ね、高い信頼を得ています。現在では150kW~20,000kW級までのガスタービンをラインナップし、顧客の多様なニーズに対応するとともに、システム開発力によりさまざまなソリューションを提供しています。また、きめ細かなアフターサービス体制により、国内では6,000台以上の納入実績を持つトップメーカーとして、中小形産業用ガスタービン分野では常に60%以上のシェアを確保しています。

ガスタービンは優れた環境適合性や総合熱効率の高さから、地球温暖化防止や環境負荷低減といった地球環境保全に最適な原動機として、需要拡大が期待されています。当社は「L20A」をはじめとする先進の低エミッション技術を搭載した自社開発ガスタービンを用いた発電設備の拡販を今後も積極的に展開していきます。

今回受注したコージェネレーション発電設備の概要は、以下のとおりです。

□設備概要
設備構成 ・コージェネレーション発電設備「PUC180」
<機器構成>
「L20A」ガスタービン×1基
排熱回収ボイラ(追焚き付き)×1基
燃料 天然ガス
発電出力 15.9MW
送気蒸気量 66.8t/h