世界最高性能の8MW級ガスエンジンを開発

2006年08月09日

 



  川崎重工は、世界最高性能をもつ発電出力8MW級ガスエンジンを開発しました。
当社がこのたび開発したガスエンジンは、発電効率が世界最高となる48%を達成するとともに、NOx排出値についても世界最高レベルの環境性能を実現しました。(O2=0%換算にて120ppm)

当社は1919年に舶用ディーゼルエンジンの製造を開始して以来、発電用を含め数多くのディーゼルエンジンを開発・設計・製造するとともに、様々なエンジンの技術開発を行ってきました。これらの多様な経験をもとにガスエンジンの開発に着手し、単筒機での性能試験を重ね、このたび世界最高性能を達成しました。

このガスエンジンは、ミラーサイクルの採用に加えて、他社機関よりもストローク・ボア比を大きくとっていることが構造上の特徴で、耐ノッキング性と燃焼効率を改善させ、サイクル効率の向上を図っています。また、副室式電気着火方式を採用したガス専焼機関であり、着火用の液体燃料を準備する必要はなく、経済性、ハンドリング性を高めています。副室については、流動解析技術などを活用して最適化を図り、安定燃焼を実現しました。

当社が開発したガスエンジンは、シリンダ径30cm、シリンダ数12、14、16、18の4機種を取りそろえ、出力域として5~7.8MWまでをカバーしており、広範囲な市場ニーズに対応することが可能です。

当社は産業用ガスタービン分野において、1974年以来、非常用発電設備、コージェネレーションシステムで多くの実績を積み重ね、現在では、先進の低エミッション技術を採り入れた「L20A」を頂点とする150kWから20MW級までのガスタービンをラインアップしています。発電効率に優れたガスエンジンを加えることにより、ユーザーの多様なニーズに応えることが可能になります。

当社は今後、単筒機耐久試験を継続実施し信頼性を検証するとともに、2007年度上期には社内に7.5MWの発電実証プラントを建設し、受注活動を開始する予定です。

当社は、今後とも、エネルギー関連分野において新たな技術開発に積極的に取り組み、発電関連ビジネスの拡充を図っていきます。