ニューヨーク州交通局メトロノース鉄道向け交直流通勤電車の受注内定について
2006年07月25日
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川崎重工は、当社の米国現地法人Kawasaki Rail Car, Inc.(KRC:ニューヨーク州ヨンカース市)を通じて、ニューヨーク州交通局(MTA: Metropolitan Transportation Authority)傘下のメトロノース鉄道(MNR:Metro-North Railroad)より、同社向けに初めてとなる交直流通勤電車210両の発注内示を受けました。受注金額は約5億米ドル(約600億円)で、2009年から2011年にかけて順次納入する予定です。 今回の契約には、オプション(最大170両)が付随しており、オプションが全て行使された場合は、最大で生産総数は380両、総額約9億米ドル(約1,000億円)となる大型案件になり、2013年まで生産が継続することになります。 この通勤電車は、老朽化した既存車の更新計画ならびに、旅客サービス向上計画に伴って導入されるもので、ニューヨーク市マンハッタン区のグランドセントラル駅と北東方面の郊外ニューヘイブン(コネチカット州)を結ぶ通勤路線(路線長約116キロ)で営業運転されます。本車両はステンレス鋼製で、交流25,000V、交流12,500V、直流650Vの3電源で運転され、通勤車両としては幅、長さ共に最大級となる大きさが特徴です。 車両の構体製作および機器取付け、最終組立てはリンカーン工場(ネブラスカ州)、主要機器調達および納入整備等はヨンカース工場(ニューヨーク州)で行います。また、納入予定は、試作車が2009年5月、ベース契約の量産車が2009年~2011年です。なお、オプション契約については170全両が実施された場合、2011年~2013年の納入予定です。 当社は、ニューヨーク地区だけでもニューヨーク市交通局やニューヨーク・ニュージャージー港湾局ハドソン横断公社、ロングアイランド鉄道向けに合計2,000両を超える受注実績を有しています。今回のメトロノース鉄道からの初受注は、それらの納入実績ならびに技術力が高く評価されたものです。 現在米国では、既存車両の代替や輸送力増強に関するプロジェクトが大幅に増加することが予想されています。また、都市部の地下鉄路線の増強・更新や、都市近郊からの通勤路線の快適化などにともなう地下鉄電車・通勤電車・二階建て客車の発注が増加しています。 今後とも当社は、高い技術力と信頼性をもとに、環境負荷の少ない交通手段である鉄道車両を国内外に提供していきます。 □受注した車両の概要
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