自社開発の高効率内部循環流動床炉を採用したバイオマス発電設備を納入(カワサキプラントシステムズ)

2006年04月05日

 



 

川崎重工グループのカワサキプラントシステムズは、自社開発の高効率内部循環流動床炉を採用したバイオマス発電設備を東海パルプ島田工場に納入しました。

本発電設備は、温室効果ガス排出抑制に寄与するバイオマス発電設備であり、ボイラおよびタービン・発電機、排ガス処理装置、RPF貯蔵サイロ等で構成されています。
木質燃料チップおよびRPF(紙、プラスチック固形化燃料)、プラスチックをボイラで混合燃焼して蒸気を発生させ、既設ボイラから供給される蒸気とあわせ、蒸気タービンを回して発電するとともに、製紙工程(紙の乾燥工程等)においても蒸気を有効利用します。
また、タービンには軸流排気形を採用してタービン建屋の高さを抑え、コンパクト化を図っています。

本発電設備の中核をなすボイラには、当社が独自開発した二重仕切壁構造をもつ内部循環形流動床炉を採用しています。炉内の流動層を燃焼セルと収熱セルに分離することにより、層温度を低く抑えることができます。これにより、塩素による腐食を防ぎ、収熱セル内に最終過熱器管と層内蒸発器管を配置し、蒸気の高圧高温化を可能にしています。また、本ボイラは性状や発熱量の異なる多種多様な燃料においても安定した混合燃焼が可能で、運転負荷も60~100%の範囲まで容易に調整、制御することができます。
環境規制物質を抑制する燃焼方法の採用とあわせ、バグフィルタ、活性炭吹込み装置、脱硫装置などの排ガス処理設備を完備するとともに、燃料に混入した不燃物をボイラ炉底から連続して排出、除去する設備も設置しています。

当社は他にも、北越製紙新潟工場や、静岡製材協同組合、東濃ひのき製品流通協同組合などにもバイオマス発電設備を納入しています。
今後とも当社は、エネルギーの有効利用と環境負荷低減に寄与する発電設備の開発、販売に注力していきます。

□設備の概要
1. 納入場所 :東海パルプ株式会社島田工場(静岡県島田市)
2. ボイラ形式 :カワサキ内部循環形流動床ボイラ(ボイラ圧力 9.81MPa・501℃)
3. タービン形式 :川崎-軸流排気形減速式抽気復水タービン
4. 発電出力 :20.6MW
5. 設備構成 :ボイラ、タービン・発電機、排煙処理装置、RPF貯蔵サイロ等