韓国仁川空港高速鉄道建設工事向け岩盤対応型のシールド掘進機を受注

2005年10月18日

川崎重工は、韓国の仁川空港高速鉄道建設工事に投入されるシールド掘進機1基を韓国の東亜地質株式会社より受注しました。今回の受注は、一昨年ソウル市地下鉄9号線工事向けに続く、同社からの連続受注になります。なお、シールド掘進機の納期は、2006年6月の予定です。

今回受注した掘進機は、泥土圧シールド掘進機(直径7.93m)1基で、現在、仁川空港高速鉄道公団が進めている仁川空港高速鉄道建設工事(全長約61.5km)のうち、2‐5B工区に投入され、ソウル市内馬谷(マゴク)駅を含む上下線全長約1.9kmを掘削します。なお、同工区は2008年11月に完成の予定です。

今回受注した泥土圧シールド掘進機は、軟弱土層の掘進に用いられるシールド掘進機の技術と岩盤や礫層などの掘削に用いられるTBM(Tunnel Boring Machine)の技術を融合した岩盤対応型の掘進機で、複雑な土質を1台の掘進機で掘削します。

当社は、シールド掘進機に関して、これまで韓国向けに5基、国内外で1,300基以上のシールド掘進機・TBMの納入実績を持っています。また、当社は2003年12月、および2004年10月にシンガポール地下鉄建設工事向けに岩盤対応型のシールド掘進機を計8基受注しており、今回の受注は当社の技術力と豊富な実績が高く評価されたものです。

韓国では鉄道・電力溝等のトンネル工事が計画されているほか、シンガポールでも地下鉄建設工事が計画されるなど、地下工事の増加が予想されます。また、中国でも2008年の北京オリンピック開催を控え、上海、北京、広州、ハルピン、武漢、成都などの大都市を中心に複数の地下鉄建設工事が計画されており、アジア市場全体で中長期的に安定した掘進機需要が見込まれています。

今回の受注を機に、当社は今後も国内外を問わずシールド掘進機・TBMの営業展開を強力に推進していきます

なお、今回の契約概要は以下のとおりです。

・仁川空港高速鉄道工事向けシールド掘進機契約の概要

1.施主:仁川空港高速鉄道公団
2.発注者:東亜地質株式会社
3.機種:掘削径7.93m 岩盤対応型泥土圧シールド掘進機 1基
4.契約範囲:シールド掘進機の設計・製作・海上輸送など