新開発の陸・舶用KC継手を販売開始

2004年12月21日

川崎重工は、陸・舶用弾性継手として多数の実績を有するKE継手(せん断型高弾性ゴム継手)をベースに、新たに開発した高性能のKC継手(圧縮型高弾性ゴム継手)の販売を開始します。

新開発のKC継手は、従来のせん断型に代り圧縮型を採用することで高性能化を図るとともに、KE継手に比べ外径寸法で10~20%のコンパクト化、15~40%の軽量化を実現しています。また、5つの分割型ゴムエレメントの採用と部品点数の低減により、エレメントの保守・整備性を大幅に改善しています。

このKC継手は、動力伝達回転軸系エンジンから被駆動機器への動力伝達に使用でき、その対象も舶用では漁船、フェリーなどのディーゼル主機関や補機用プラントにおいて、また陸用では発電設備、化学機械、金属加工機械、車両機械および運搬機械用など幅広い分野において採用が可能です。また、これらのプラント軸系における振動吸収と熱膨張や据付誤差による軸間寸法差を吸収し、安定したプラントの運用を可能とします。

今回開発したKC継手の主な特長は、次のとおりです。

(1)圧縮型の採用により、従来のKE継手に比べて1.5倍の変動トルクを許容し、エレメント損傷時でも運転が可能な高性能で信頼性の高い継手です。
(2)分割型エレメントの採用により許容偏芯量を大きくすることができ、弾性機能を向上させています。
(3)継手を外さずにエレメントの開放・復旧が可能な構造とし、部品点数を低減したことにより保守整備性を大幅に改善しています。
(4)多数の実績を有するKE継手での長年の経験をベースに設計されているため高い信頼性を有しています。
(5)豊富な製品ラインアップにより各種プラントへの対応が可能です。


なおこのKC継手は、舶用プラント用としてDNV船級の型式承認を取得しています。

当社は、1964年(昭和39年)に陸・舶用弾性継手としてKE継手を開発して以来、6,300台以上の納入実績を有しています。今後も、当社は陸・舶用の各種プラントに向けに、経済性や環境面に配慮したKC継手の販売活動を積極的に進めていきます。

◇KC継手の概要
継手名称 : 川崎圧縮型弾性継手(KC継手)
伝達トルク : 2kNm~400kNm