中国・在来線高速化向け鉄道車両を受注

2004年10月20日

川崎重工は、中国における在来線高速化プロジェクト向け鉄道車両を受注しました。
当社は、中国山東省青島市の南車四方機車車両股份有限公司(四方)の合作パートナーとして入札に参加し、共同で中国鉄道部より60編成480両(1編成8両)を受注しました。契約総額は約1,400億円、当社の契約金額は完成車・ノックダウン車・国産車用部品を含めて約800億円で、2006年2月から完成車の納入を開始する予定です。
当社は、三菱商事株式会社、三菱電機株式会社、株式会社日立製作所、伊藤忠商事株式会社、丸紅株式会社等の日本各社を取りまとめ主契約者として、中国鉄道部との契約を本日調印いたしました。当社は、車両の設計・製造全体の取りまとめを行います。

中国では、急速な経済発展に伴い、増大する輸送需要に対応し鉄道輸送能力を強化するために、新線建設とあわせて在来線の運行速度を高速化する方針を打ち出しています。在来線高速化プロジェクトは、新型車両の導入により在来線を高速化し、鉄道輸送能力の増強を図るもので、総延長は2,000キロに及びます。本プロジェクトは、鉄道輸送のボトルネックを緩和することで、迅速な経済発展を促進する重要な事業として位置付けられています。

今回受注した車両は、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)のE2系-1000番代新幹線電車をベースとした、時速200km対応の車両です。当社は、時速200kmでの営業運転や運用路線の地上側設備に対応した設計変更などを行った上で、3編成の完成車両と6編成のノックダウン車両を製造・供給します。その後は四方が当社からの製造技術供与により、51編成の国産車の製造・納入を行います。
なお、当社を含む日本6社は、JR東日本からの技術移転の受け皿となる光基鉄道システム株式会社を設立しており、同社を通じて技術使用権を得、四方へは車体・台車の技術移転を、また株州電力機車研究所へは主回路装置などの電機品の技術移転を行います。最終的には、車両小部品についても部品メーカーによる中国への技術移転が望まれています。

当社は、四方と1985年に友好工場協定書を締結して以来、同社へ車両工場の計画支援や技術協力・生産協力を行うなど、良好な信頼関係を築いてきました。今回の受注は、JR東日本のE2系-1000番代車両の安全で豊富な運用実績と、当社の日本国内向けおよび海外向け車両での豊富な実績と技術力に加え、納期・価格・技術移転計画などが総合的に評価されたものです。

中国では、今回の在来線高速化プロジェクトのほか、さらなる高速化や地下鉄・郊外路線などの都市交通整備プロジェクトも数多く計画されています。今回の受注を機に、当社は、今後とも四方と協力しながら、中国市場での鉄道車両事業を積極的に展開していきます。

□車両の概要
(1)車種 : E2系-1000番代新幹線電車をベースとした車両(8両編成)
(2)車両長 : 201.4m/編成(25m/両)
(3)車体構造 : アルミ押出し型材溶接構造
(4)営業速度 : 200km/h