ロールス・ロイス社の最新鋭旅客機用エンジン「TRENT1000」の開発・生産に参画

2004年10月13日

 

川崎重工は、ロールス・ロイス社(英国)と、最新鋭旅客機用エンジン「TRENT1000」の開発・生産に「リスク & レベニュー シェアリング パートナー(RRSP)」方式で参画することで基本合意に達しました。「TRENT1000」は、ボーイング社(米国)が開発中の新型旅客機「7E7 Dreamliner」(200~250席クラスの中型機)への搭載が決定しており、すでにニュージーランド航空よりエンジン初受注を獲得しています。

当社は、最新鋭旅客機用エンジン「TRENT1000」の開発・生産プログラムで、中圧圧縮機(IPC)モジュールの設計・製造・組立を担当します。IPCモジュールは、エンジンを構成する8個の主要モジュールの一つであり、直径約1.5m×長さ約1.5m、部品数約2,000点のモジュールです。このモジュール全体の設計・製造・組立を担当するのは、当社にとって今回が初めてとなります。

今回の開発・生産プログラムにおいて、当社はすでにロールス・ロイス社へ技術者を先行して派遣し、共同でモジュールの開発作業を進めています。また当社は、1998年にRRSP契約を締結した「TRENT500」と同様、「TRENT1000」のエンジン開発運転試験も一部担当します。
これにより、当社の参画シェアは過去最高の約8.5%となり、2008年からの約20年で、アフターサービスを含め5,000億円程度の販売が期待されます。

「TRENT1000」は、ロールス・ロイス社が開発中の推力53,000~70,000ポンドの最新鋭旅客機用エンジンで、すでに開発・生産している4機種の「TRENTシリーズ」の最新モデルとして位置付けられます。「TRENTシリーズ」はこれまで約1,700台の受注実績を持つ同社の主力旅客機用エンジンです。

当社とロールス・ロイス社は、1959年に航空機用エンジン「オリフュース」のオーバーホールに関する技術提携契約を締結して以来、防需航空機用エンジン、旅客機用エンジン、舶用ガスタービンエンジンなどの幅広い分野で緊密な協力関係を築いております。
特に、旅客機用エンジンの分野では、ロールス・ロイス社の「RB211」(B747/B767用)、「TRENT700」(A330用)、「TRENT800」(B777用)、「TRENT500」(A340-500/600用)などの開発・生産に当社がRRSP方式で参画している他、「V2500」(A320シリーズ用)の国際共同開発・生産事業に両社が共に参画しております。

今回の「TRENT1000」の開発・生産への参画は、当社とロールス・ロイス社の半世紀にわたる良好な関係と、当社の航空機用エンジンの開発・生産・整備などに関する高い技術力と豊富な経験が評価されたものです。

今後とも当社は、エンジン開発技術力の高度化、生産基盤の強化を進めるとともに航空機用エンジンの共同開発・生産プログラムへ積極的に参画するなど、航空機用エンジン事業の発展に注力していきます。