直線翼垂直軸風力発電装置の運用試験開始(日本飛行機)

2004年08月26日

 

川崎重工グループの日本飛行機株式会社は、日本郵船株式会社他2社と共同で舶用直線翼垂直軸風力発電装置(通称:舶用縦型風力発電システム)を開発してまいりましたが、この度、日本郵船に引渡された新造自動車専用運搬船「Andromeda Leader」に当社製作の本装置を搭載し、本装置の実用レベルの運用試験を開始します。

本製品の特長は、以下のとおりです。

(1) 就航船では最大級の発電装置
  本装置は直径4m、高さ4.5mの直線翼垂直軸型風車で駆動され、風速25m/sで30kWの発電能力を持ちます。現就航船の中では世界最大級です。
   
(2) 船体動揺に対する安全制御(日本郵船と共同特許出願中)
  本装置は動揺する船上で安全に連続運転ができるように、これまでの風力発電装置にはなかった、船体動揺に対する安全装置を開発し装備しています。本機能は世界初であり、日本郵船と共同で特許出願中です。
   
(3) 船内電源との系統連系運転
  本装置の電力は貨物倉の照明として利用されます。(一部、ディーゼル発電機による電力と系統連系を行っています。)
   
(4) 本装置は次の利点を有しています。
  ・風向指向性が無くプロペラ型風車のように風向に対向させる機構が不要。
  ・風車からの発生騒音がプロペラ型に比べ低い。
  [当社試験風車実績 風速12m/s時50mの距離で60db(A)以下]
  ・発電機をデッキ下に設置できるので、メンテナンスが容易。


なお、当社は、運用試験後の性能評価および試験実績を基に、新造船および現在就航中の船舶へ本装置の販売活動を展開していきます。