モロッコ向けセメントプラントを引渡し

2004年06月03日

川崎重工は、モロッコ王国ラファージュセメント社の新設テトアンセメント工場向けにセメントプラントを完成・引渡しました。本プラントは、2001年3月に契約調印し、2004年3月末に引渡し完了したもので、当社として初めてのモロッコ向けセメントプラントの納入になります。また、5月28日には、同工場の落成式が現地で開催されました。

今回納入したプラントは、日産2,300トンのセメントプラントで、当社は主要プロセス機器(原料粉砕・石炭粉砕・焼成およびセメント粉砕)の納入とその据付工事・試運転引渡しを担当しました。
このプラントは、既設テトアンセメント工場を閉鎖し、別途新設されたもので、増大している同国のセメント需要に応えるとともに、設備の近代化により、同地域の環境保全に大きく寄与できる最新鋭技術を適用した設備です。

ラファージュセメント社は、セメント総生産量世界一を誇るラファージュ社(本拠地フランス パリ市)とモロッコ最大の民間企業であるONA(Ominium Nord Afrique オミニウム・ノード・アフリカ)社との共同出資会社であるラファージュモロッコ社の子会社です。なお、ラファージュモロッコ社は、モロッコ国内に4工場を保有しており、新工場の稼動により生産能力は460万トンになります。

当社は、主に1970年代にモロッコを除く北アフリカ地域の計8工場へセメントプラントを納入した実績を持ち、今回のモロッコへの納入により、北アフリカ5ヶ国の全てにセメントプラントを納入したことになります。また、当社は2002年4月にセメント生産量世界2位のホルシム社(本社:スイス ホルダーバンク市)の現地法人ホルシム(モロッコ)社よりセメント粉砕・貯蔵・出荷設備を受注しており、現在試運転中です。

世界のセメント最大手2社からの受注と着実な納入実績は、今後予定される大手セメント会社の新設・設備改造案件への足がかりを得たことになり、当社のセメントプラントビジネスの世界展開に向けて大きな前進となるものです。

今回の納入を機に当社は、今後も欧州・中近東・北アフリカ地域でのセメントプラント事業において、積極的な事業活動を展開していきます。