川崎重工は、地下鉄電車321両を、台北市政府捷運(しょううん)工程局(台北DORTS:Department of Rapid Transit System)より受注しました。受注金額は約530億円で、2005年10月から2009年6月にかけて納入する予定です。
今回当社が受注した地下鉄電車は、台北DORTSが2011年に開業する新荘(しんしょう)線および蘆洲(ろしゅう)支線向けに144両、在来線輸送力増強のため177両が投入される予定です。車体はステンレス鋼製で、片側4ヶ所に外吊り式のドアがついています。電源(直流750V)は第三軌条より供給され、最新のIGBT(※)インバータ制御で駆動されます。台車は当社製ボルスタレス台車を採用し、最高運転速度は80km/hです。更に、運行の安全確保のために運転席にはCCTV(監視カメラ)が搭載されています
当社は、台北DORTS向けに、台北市の渋滞緩和のために新規に建設される地下鉄用として、1992年から1993年にかけて132両の地下鉄電車を納入しています。今回の受注は、これら電車の運行状況が良好であることに加え、日本国内向けはもとより、ニューヨークやシンガポール向け地下鉄電車など豊富な実績とともに、技術力・価格の面からも総合的に高く評価されたものです。
近年では北米およびアジア向けを中心に、当社の海外向け鉄道車両の実績は、3,000両以上に及んでいます。今後とも当社は、海外市場での鉄道車両事業を積極的に展開していきます。
□受注した車両の概要
(1)車 種 |
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地下鉄電車(3両×3編成および6両×52編成、合計321両) |
(2)寸 法 |
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23.5m(長さ)×3.2m(幅)×3.6m(高さ) |
(3)車体素材 |
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ステンレス鋼 |
(4)台 車 |
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ボルスタレス台車 |
※ IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ素子
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