自社開発のトンネル工事用ダンプトラック初号機を納入

2003年05月15日

川崎重工は、今年3月に自社開発したトンネル工事用ダンプトラック「KUT300」の初号機を株式会社奥村組に納入しました。

今回初納入した「KUT300」は、奥村・青木・真柄・牛木共同企業体が建設工事を担当する北陸新幹線峰山トンネル東工区(新潟県西頚城郡名立町、トンネル延長3,300m)で使用され、トンネル内での機動力を生かしトンネル建設工事で発生する岩石や土砂などをトンネル外へ搬出します。

「KUT300」は、このクラスでは最大級となる出力212kWのエンジンを搭載する一方、クラス最小の車体寸法および作業回転半径を実現させるなど、工事トンネル内での機動性を高めています。また、国土交通省が2003年10月から導入する「排出ガス第2次基準値」をクリアした環境対応型ダンプトラックです。

当社は、従来からトンネル工事用作業車両として「ロードホールダンプ」やホイールローダのバケット部を左右両サイドに回転できるように改良した「両サイドダンプ車」を生産・販売しています。今回納入した運搬専用車のダンプトラック「KUT300」をラインアップに加えることで、積込と運搬をベストマッチングで提案できることになります。今後とも当社は、多様な顧客ニーズに対応し、トンネル工事用車両の拡販に努めていきます。

今回納入した「KUT300」の特長および主要諸元は、次のとおりです。

□環境対応

排ガス第二次基準値対応のエンジンを搭載。
 黒煙浄化装置を搭載。
 エアコン、バックモニタなどを標準装備したキャビンを搭載。
□作業性
エンジン出力はクラス最大級の212kW/2,300min-1(グロス)。
 クラス最大の燃料タンク容量354L(リットル)。
□操縦性
クラス最短の全長と後・後車軸リフトアップ機構(※)により、小断面トンネル内でも方向転換が容易。
□安全性
降坂時のブレーキ力を安定させるために、4段階調整式の流体式リターダブレーキ(制動補助装置)をトランスミッション出力側に装着。
 バックモニタ、リヤワイパを装着し、良好な後部視界を確保。
□信頼性
ホイールローダの技術をベースに4速オートマチックトランスミッション、アクスル(車軸)、キャビンなどもすべて自社開発。
 

※ リフトアップ機構は、旋回時、後・後車軸(第3軸)を油圧シリンダで持ち上げることにより、前後の2軸で旋回できる機能です。

□主要諸元表(標準仕様)