ブラジルに航空機用 主翼組立工場が完成

2003年04月24日

川崎重工は、ブラジルの航空機メーカーであるエンブラエル社が設計・開発中のEmbraer 190/195(90~108席クラスのリージョナルジェット機)の主翼組立を行う新会社Kawasaki Aeronautica do Brasil Industria,ltda(以下KAB)を設立し新工場の建設を進めていましたが、このほど完成し開所式を行います。

この新工場は、世界第4位の航空機メーカーであるエンブラエル社が、サンパウロ市の北西約300kmにあるガビオンペショット市に新設した、5kmの滑走路及び機体組立ハンガーを擁する航空機組立工場に隣接し、Embraer190/195の主翼の最終組立用として使用されます。ここで組立てられた主翼は、エンブラエル社の本社があるサン・ジョゼ・ドス・カンポス工場に納入され、航空機として最終組立を行います。
なお、新工場では、本年秋の初飛行に向けて、7月頃から初号機の組立を開始する計画です。

当社は、1999年10月にEmbraer170/175(70~78席クラス)の主翼コンポーネントの開発及び製造について、エンブラエル社と契約を締結し、既に2001年4月より当社の岐阜工場で製造したそれらコンポーネントをエンブラエル社へ納入しています。

また、当社は、2001年5月に、Embraer190/195主翼の開発及び製造について契約を締結し、現在開発を推進しております。Embraer190/195では、Embraer170/175での担当部位である動翼・中央翼・主翼前後縁・主翼先端部に加え、主翼メインボックスを新たに取り入れ、全主翼の開発・製造を担当しています。

当社は、エンブラエル社の工場内においてKABによるEmbraer190/195の主翼組立を実施することにより、製造・輸送コストの低減を図るとともに、エンブラエル社との一層の関係強化を推進し、民間航空機事業の拡大に向けて積極的に取り組んでまいります。

なお、KABおよび新工場の概要は以下の通りです。

1.社 名:Kawasaki Aeronautica do Brasil Industria, Ltda.
 2.所在地:ブラジル連邦共和国サンパウロ州
 3.資本金:20MR$(約15億円)
 4.人員規模:現地採用従業員も含め、約40名(量産ピーク時は70人程度を想定)
 5.生産品目:Embraer190/195の主翼組立
 6.生産能力:最大月産4機
 7.建屋面積:約7,200m