製鉄プラント事業の統合について基本合意

2003年03月27日

 

川崎重工業(株)(以下KHI、社長:田﨑雅元)とスチールプランテック(株)(以下JSP、社長:藤原義之)は、2002年12月より両社の製鉄プラント事業の発展を図るため、広範な提携について検討してきましたが、このたび包括的な事業統合を行うことで基本合意に達しました。

今回の基本合意により、早期に統合の効果を発揮するため、まずKHIの営業部門を2003年4月1日よりJSPに統合し、製品ラインアップの拡充と両社の得意顧客・地域および営業チャンネルの共有化による営業力強化を図ります。さらに両社は2004年4月迄にKHIの技術部門を統合する方向で、今後詳細を詰めていく予定です。

JSPでは、日本鋼管(株)、住友重機械工業(株)、日立造船(株)の3社が保有する製鉄プラント事業を継承し、高炉、焼結設備、電気炉、連続鋳造設備、条鋼圧延設備、鋼板プロセスラインおよび鋼板プロセス機器類を中心に、高い技術力と実績をベースにして、2001年4月より新会社として製鉄プラント事業を展開しています。

今回のKHI営業部門統合により、JSPが持つ製品に加え、KHIの転炉製鋼プラント、鋼板圧延設備、鋼板プロセスラインなどがラインアップされることで、高炉系、電炉系を問わずに製鉄プラントの上流から下流に至るまでの製品が揃うことになり、国内外ユーザーの幅広いニーズに応えていくことが可能となります。また、海外市場での営業展開力向上により、中国、韓国、台湾およびその他東南アジア地域の重点的フォローによる受注競争力の強化を図ります。

現在、製鉄プラント事業を取り巻く環境は、ユーザーサイドの再編統合による国内外マーケットの縮小や、海外大手プラントメーカーとの競争激化などにより、製鉄プラントメーカー間の再編・統合に向けた動きが加速しています。

今後とも両社は、さらに包括的な事業統合に向けた商品戦略、受注戦略の再構築と、シナジー効果についての検討を進め、新生JSPとして年間360億円の事業規模を安定的に確保できる体制を整えていくとともに、技術力およびコスト競争力の向上を図ることにより、21世紀の世界市場における新たな事業プレゼンスを確立して、多様な顧客ニーズに迅速に対応していきます。