マレーシア新行政都市「プトラジャヤ」地域冷房向けガスタービン発電設備を完成

2003年03月12日

川崎重工は、マレーシア政府が建設を進めている、新行政都市プトラジャヤ向けのガスタービン発電設備「GPB70D(7,000kW級)」2基を、当社の東南アジア地域におけるガスタービン販売およびサービス拠点であるKawasaki Gas Turbine Asia(KGA)にて完成させました。

マレーシア政府は、首相官邸/事務所を含む行政地域、そして複合開発、市民文化、商業、スポーツ・住居区域の合計5つの区域からなる、世界最大級の近未来・新都市開発計画を推進しており、プトラジャヤは、その一環として地域開発が進められている新行政都市です。

今回完成したガスタービン発電設備は、新行政都市プトラジャヤの第2期・3期・4期増設工事で建設される同都市の第2商業区域内に設置されます。この設備は、世界最大クラスで最新鋭の技術を導入した同地域向けの大型地域冷房プラント向けに採用され、排熱回収ボイラと組み合わせたコージェネレーション設備として納入されます。なお、この大型地域冷房プラントは、昨年5月に当社と現地企業Tractors Malaysia社(TMB社)が共同で、フルターンキーベースにて受注しています。

今回のガスタービン発電設備は、ガスタービンおよび制御装置などを当社から供給し、他の防音機器、台盤、圧力容器などを現地調達し、当社の技術をベースにKGAとTMB社が共同で、マレーシアにてガスタービン発電設備としてパッケージングしたものです。東南アジアにおいて、当社の技術供与によりガスタービン発電設備が現地でパッケージングされたのは今回が初めてです。

技術供与により、ガスタービン発電設備のパッケージングを現地化した目的は、以下のとおりです。

マレーシアをパッケージの拠点とし、他のアジア諸国へもパッケージしたガスタービン発電設備を供給することで、アジア地域でのガスタービンビジネスの強化を図る。
優れた品質の製品を、より適正な価格で顧客に提供する。
国際規格や現地規格への適合を図る。

当社は、マレーシア向けガスタービン発電設備では、1996年に世界一の超高層ビル「クアラルンプールシティーセンター」の地域冷房システム向けコージェネレーション設備などの納入実績があります。また、昨年10月にはプトラジャヤの第1期工事向けに5,500USRT(冷凍トン)の冷水供給能力を持つ地域冷房プラントを納入しています

今回のガスタービン発電設備の現地でのパッケージ化は、当社の最重点戦略地域である東南アジアでの今後の事業展開にとって大きなアドバンテージとなるものです。今後も当社は、ガスタービン事業の海外展開についてさらなる拡大を目指します。