ハイダンプ仕様のホイールローダをベトナム向けに納入

2003年02月24日

 

川崎重工は、ベトナム石炭公社向けハイダンプ仕様のホイールローダを、当社播州工場で製作、このほど現地に納入しました。このホイールローダは、同社の石炭採掘現場にて石炭の積み込みなどに利用されます。

従来、ホイールローダでの高所への積み込み作業は、アームを長くしたロングアーム仕様で対応していました。今回出荷したホイールローダは、標準バケット容量3.2m3クラスの「AUTHENT 80ZA」をベースにしたハイダンプ仕様のホイールローダで、標準アーム部の先端にピン(軸)を中心に自転する構造を採用した特殊バケットを装着することで、標準モデルより約1.7m高い位置までの積み込み作業が可能です。

ハイダンプ仕様ホイールローダの主な特長は、以下のとおりです。

(1) 特殊バケットにより高い位置までの積み込み作業を可能にするとともに、標準アームを使用しているためフロントオーバーハングが最小限に抑えられ、標準モデルに近い小回り性能を発揮します。
   
(2) 積み込み作業範囲の拡大にともなう積載荷重の重心位置の移動が最小限に抑えられ、最大荷重の制限にもほとんど影響しません。

ベトナムは、世界有数の良質な無煙炭(※)の産出国で、1994年にベトナム石炭公社を設立し、採炭の機械化などを国策として進め、石炭を中心とした鉱業の発展に注力しています。

当社は、「AUTHENT」シリーズ(バケット容量0.26m3~9.2m3のホイールローダ15機種)の生産・販売を行っています。また、ホイールローダをベースに開発した高速型除雪ローダやホイールローダの技術を応用したトンネル・鉱山作業用のロードホールダンプなどの製品を有しています。今後も当社は、ホイールローダの開発・生産で蓄積した技術をもとに、多様な顧客ニーズに幅広く対応できる建設機械事業を展開していきます。

※無煙炭: 最も炭化の進んだ石炭。石炭のうちでは、揮発成分が最も少なく、固定炭素が最も多く93~95%に達する。燃えつきにくいが、燃えはじめると青みをおびた黄色の短い炎で、高い熱を出すが煙は出さない。