酒田北港の国内初の水路部を有効活用した単機出力で国内最大の大型風力発電システムを受注

2003年01月21日

 

川崎重工は、住友商事の100%子会社であるサミットウインドパワー酒田(株)から、定格出力16,000kWの大型風力発電システムをフルターンキーで受注しました。本システムの納入は、2004年1月の予定です。

今回受注した大型風力発電システムは、山形県酒田市の酒田北港の西護岸水路部(幅約50m)を有効活用し、国内初の水路上に基礎を持つ風力発電機5基と、隣接する宮海海岸の陸上部に設置する風力発電機3基の計8基で構成しています。また、この風力発電機は、国内最大の単機出力2,000kWのヴェスタス社(デンマーク)製を採用します。

本風力発電機は、発電機中心までのハブ高さ約60m、翼外径80mの発電機で、風速4m/秒から25m/秒の風で常に最高出力が得られるように、風を最大限とらえるピッチ制御と、風の急激な変化で生じる出力変化を抑えるスリップ制御機能を備え、発電出力の安定を図っています。なお、これらで得られた電力はすべて東北電力に売電されます。

当社は、2001年2月に単機出力660kWの風力発電機3基で構成される風力発電設備を北海道稚内市向けに納入したほか、2001年12月には「さらきとまないウィンドファーム」向けに単機出力1,650kWの風力発電機9基で構成される大型ウィンドファームを納入するなど、計22基の納入実績を有しています。

今回の受注では、水路上と陸上という異なる設置環境の風力発電機を接続し、大型風力発電システムとして設計、施工することが必要なことから、各種プラント建設や風力発電設備をはじめとした当社のエンジニアリング力が高く評価され、受注に結びついたものです。

また当社は、風力発電機市場では世界でトップシェアを持つヴェスタス社(デンマーク)製風力発電機の日本総輸入代理店であるヴェステックジャパン(株)に資本参加(2000年6月)するなど、新エネルギーとして期待されている風力発電分野において、積極的な営業展開を行っています。

当社は風力発電設備をはじめとして、太陽光、バイオマスなど自然エネルギーによる発電分野においても積極的に事業展開を進めており、今後も社会・市場ニーズに加え、環境に配慮した製品の開発・販売に努めていきます。