米国カミンズ社と産業用ガスタービン発電設備に関する販売提携契約を締結

2002年12月12日


 

川崎重工は、カミンズ社の発電部門(Cummins Power Generation 以下、カミンズ社)と、当社の販売会社 Kawasaki Motors Corp.,U.S.A.(以下、KMC)のガスタービン・カンパニー(Kawasaki Gas Turbines‐Americas)を通じて、当社製産業用ガスタービン発電設備に関する販売提携契約を締結しました。

今回締結した販売提携契約は、主に北米の常用発電設備市場での当社製ガスタービン発電設備の拡販を目指すもので、対象となる製品は、超低NOx技術を採用した触媒燃焼器塔載型ガスタービン発電設備「GPB15X」(※1)と、当社の主力ガスタービンエンジンである「M7A」クラスを搭載したガスタービン発電設備「GPB60D/70D」です。なお、この提携により、北米市場における当社製ガスタービン発電設備は、従来のKMCガスタービン・カンパニーによる「Kawasaki」ブランドでの販売に加え、カミンズ社による「Cummins-Kawasaki」ブランドでの販売が開始されます。

ガスタービン発電設備「GPB15X」(1,500kW級)は、北米でNOx排出量に対する規制が最も厳しいカリフォルニア州のNOx排出規制値2.5ppm(O2=15%)をクリアでき、分散型電源の普及とともにますます厳しくなる環境規制に対応する差別化商品として、2000年12月に発売を開始して以来、年々注目が高まっています。

また、ガスタービン発電設備「GPB60D/70D」(7,000kW級)は1994年に初号機を納入し、その後、コンバインド・サイクルシステム、余剰蒸気をガスタービン内に噴射する熱電比可変型コージェネレーションシステムなどのバリエーションを加え、国内外合わせて約50台の納入実績があり、国内及び海外向けの当社主力商品の1つとなっております。

当社は、自社開発による150~20,000kW級の産業用ガスタービン発電設備を保有しており、1976年以来、非常用発電設備、コージェネレーション発電設備合わせて7,000台以上の納入実績を持っています。国内では、顧客の使用条件に合わせた多様な製品バリエーションや、きめ細かなアフターサービス体制により60%以上の市場シェアを持つトップメーカーとして高い信頼を得ています。また海外でも各地に販売・サービス拠点を設置しており、これまでアジア・欧米を中心に500件を超える納入実績を持っています。

今回の販売提携は、カミンズ社が当社のガスタービンに関する技術力と豊富な納入実績を高く評価したものです。同社は、今後の環境規制の強化に対応するため、従来のディーゼルエンジンやガスエンジンを原動機とする発電設備に加えて環境負荷が少なく、高効率なガスタービン発電設備を製品ラインアップに加えることで、事業の拡大を図ります。

今回のカミンズ社との販売提携により、当社は北米市場でのガスタービン発電設備の販売において、従来どおりKMCガスタービン・カンパニーを通じた営業活動とともに、カミンズ社の充実した販売・サービス網を活用し、分散型電源の普及が見込める北米市場でのガスタービン発電設備の拡販を目指します。

※1 「GPB15X」は、当社製1,500kW級ガスタービンに、米国のCESI社(Catalytica Energy Systems, Inc.)が開発した触媒燃焼器「XononTM」(ゾノン)を搭載した、ガスタービン発電設備です。