埼玉県吉見浄水場向け泥水式シールド掘進機(H&Vシールド工法)の製作を完了

2002年12月03日

 

川崎重工は、埼玉県企業局が現在進めている「埼玉県吉見浄水場導水路工事」向け横2連型並列泥水式シールド掘進機(直径2.09m)を製作し、現地据付を完了しました。

この泥水式シールド掘進機は、吉見浄水場導水路(荒川の水を浄水場に導水するための導水路トンネル)工事に投入され、今月より埼玉県比企郡吉見町の工事現場にて前田・間・伊田・島村・初雁特定建設工事共同企業体により掘削が開始される予定です。なお本導水路の完成は平成17年3月の予定です。

泥水式シールド掘進機は、掘削された土砂と泥水をシールド掘進機の全面に充満することで掘削面を安定させながら掘り進む機械です。今回完成した泥水式シールド掘進機は、特殊な機構を持つ多円形シールド掘進機で、複数の円断面を横並列、縦並列に変更できるほか、分岐掘進も可能なシールド掘進機(H&Vシールド工法)です。本工事では横2連型式を採用し、同時に近接するトンネルを構築することにより、工期の短縮を図ることが可能です。

また、この泥水式シールド掘進機は発進到達部に出現するレキ地盤の掘削に対応するため、耐磨耗性のあるビットやテールブラシに特殊なシールを採用しており、2.5kmの掘進距離に対する耐久性を高めています。

さらにトンネルの内壁を形成するセグメントは、鋼板で覆われた鋼殻中にあらかじめ工場内にてコンクリートを中詰めし、鋼材とコンクリート双方の材料特性を組み合せた合理的で、経済性と施工性を兼ね備えた「コンクリート中詰め鋼製セグメント」を使用します。

これまでに当社は国内外を問わずシールド・TBM掘進機の営業展開を強力に推進しており、これまでに1,300基以上のTBM(トンネルボーリングマシーン)・シールド掘進機の豊富な納入実績を有しています。