ニューヨーク市交通局向け次世代地下鉄電車を受注

2002年11月06日

 

川崎重工は、ニューヨーク次世代地下鉄車両(R160)を、ニューヨーク市交通局(NYCT)より正式に受注しました。今回受注したのは、ベース契約660両の内260両分で、受注金額は約4億ドルです。

今回の商談のベース契約は660両で、契約金額は約10億ドルです。また本契約には、オプション1(620両)とオプション2(420両)が付随しており、総数1,700両で総額約24億ドルとなる案件です。

今回の商談では、NYCTが今年7月末に当社とアルストム社(仏)への発注を決定していましたが、アルストム社がニューヨーク地下鉄では初受注であること、また今回のR160車両の仕様について、現在NYCT向けに当社が製作中のR143車両との互換性が求められていることから、本契約を当社とアルストム社の共同企業体で遂行することを前提に、7月以降両社で両数、作業分担ならびに価格など詳細を詰めてきました。

その結果、共同企業体はプロジェクト管理・エンジニアリング・車両搭載機器の購入を行い、当社とアルストム社は、共同企業体からそれぞれが受注した車両を製作し納入します。なお納入後の車両保守についても、それぞれの責任で実施されます。

また当社は、R160車両製作のほかR143車両の技術提供とともにR160車両のエンジニアリングリーダーとして、本プロジェクトを遂行し、オプションが発効された場合は、オプション車両数の4割を製作担当する予定です。さらに台車に関しては、当社製作分とアルストム社製作分のすべての車両において当社製が採用されます。

R160車両はステンレス製で、制御、空調や放送装置など究極の安全性や快適性を追求した車両です。R160車両の構体製作は、米国ネブラスカ州リンカーン工場で、また機器取付けと最終組立て、試験をニューヨーク州ヨンカース工場でそれぞれ行い、NYCTに納入します。なお納入予定は、試作車が2005年7月、ベース契約の量産車が2006年~2008年です。またオプション1については2008年~2009年、オプション2が2009年~2010年の予定です。

当社は、NYCT向けでは1985年に「R62」型地下鉄電車325両を受注して以来、累計1,285両の受注納入実績を持ち、現在もR142A車両520両とR143車両212両の製造・納入を進めています。今回受注したR160の納入が完了すると、NYCT向け地下鉄車両では、当社が最も多くの両数を納入することになります。

今回の受注は、当社のNYCT向けの豊富な納入実績と技術力が高く評価されたものです。そして本プロジェクトにより、当社の米国内で唯一の車両一貫生産がいよいよ本格化することになります。今後とも当社は、海外市場での鉄道車両事業を積極的に展開していきます。