ロボット用コントローラ「Dシリーズ」を新発売

2002年10月31日

 

川崎重工は、ロボット用コントローラ「Dシリーズ」を開発し、11月1日から新発売します。

「Dシリーズ」は、『お客さまへの快適さの提供』をキーワードに、従来の「Cシリーズ」の優れた性能はそのままに、処理能力や操作性、保守性、システム拡張性を大幅に向上させたコントローラです。

「Dシリーズ」は第1弾として、中・小型汎用カワサキロボット「Fシリーズ」に対応し、順次大型汎用ロボット「Zシリーズ」他のカワサキロボットにも展開していきます。

<主な特長>

1)快適操作系

カワサキロボットのコンセプト「シンプル・アンド・フレンドリ」をベースに、新たに開発したティーチペンダント(教示・表示装置)には、6.4インチ、256色のカラーTFTタッチパネル付き液晶ディスプレーを採用し、視認性を大幅に向上しています。また操作部のハードウェアキーレイアウトは、操作頻度の検証分析によって人間工学に基づく最適化デザインを施しました。その結果、親指2本でほとんどの操作ができるため、まさにゲーム機のような操作感覚を実現しました。大幅に向上した画面切り換え速度・キーレスポンス、絵と文字による分かりやすい表示とタッチパネルを併用したキー操作により、教示時間を大幅に短縮します。


2)快適機能
ハンドリング、パレタイジング、スポット溶接、アーク溶接など多くのアプリケーションに対応するソフトウェアを準備しています。また、使いやすいカワサキロボット言語「AS言語」により、複雑なプログラムや動作制御、システムプロセス制御を簡単に実施できます。
協調制御をはじめとする、アプリケーションの進化を指向したソフトウェアオプションも多数取り揃えています。


3)快適性能
高速プロセッサの採用により、ロボット制御機能、プロセス制御機能を大幅に強化しました。
これにより、お客様の工程の稼働率、作業品質が向上します。また、ロボットプログラムと同時に実行できるプロセス制御プログラム数は、従来の2倍。複雑なロボットと周辺機器の制御をストレスなくこなします。
コントローラ1台あたりの最大制御軸数は16軸。さらに、通信で複数のロボットコントローラを接続すると、簡単に協調ロボットシステムを構築することもできます。この結果、お客さまのニーズに即した多軸システム、協調制御システムを容易に実現します。
※多軸システム、通信協調制御機能はオプションです。


4)快適システム・ネットワーク
通信機能の強化を図り、高いシステム拡張性を実現します。
標準I/O以外にも多くのフィールドバスに対応できるため、周辺機器との接続が簡単に行なえます。
さらに新開発の内蔵シーケンサ機能(K-Logic)を使えば、周辺機器制御をリーズナブルなコストで実現することができます。
また、イーサネット・ネットワーク通信にも対応していますので、ホストコンピュータとのデータ通信やプログラムのアップロード、ダウンロード、イントラネットを経由したライン状況監視などにも対応できます。
※ フィールドバスとは、ロボットと外部機器との間で信号のやり取りを行なうためのFAネットワーク。いくつかの通信プロトコルがあります。
※ 上記システム対応機能はオプションです。


5)快適メンテナンス
交換部品のユニット化と省配線化を徹底追及したため、万一故障した際のMTTR(故障からの復帰時間)を短縮し、現場でのメンテナンス性を大幅に向上しました。
また、ロボットの各種信号状態を記憶し、周辺システム障害発生時の原因特定をサポートするデータストレージ機能、故障時の復旧手順を表示する保全支援機能や遠隔監視・診断を実現するWebサーバなどのメンテナンスサポート機能の充実を図りました。
※ データストレージ、保全支援機能、Webサーバはオプションです。